窒素研究に関する国際トレーニングコース

 

洗濯機をフル回転させて、たまりにたまった洗濯物達を片付ける雨の休日。長らく留守にした部屋にどういう訳かたまった埃を掃除して、ようやく少し振り返る時間ができた。何もしてないのに、放っておくと埃ばかりはたまっていくのはなぜなのか、いつも不思議に思う。

 

随分ご無沙汰しておりました。前回更新した5月上旬からあまりに色々な事があった2ヶ月。

 

雪解け後の調査や、沢山のお客さん、新しいプロジェクト、そして市民向け講座.....

1つずつ報告するとなると、また筆が重くなってしまうので、まずは直近のイベントの報告から。

 

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6/15〜24まで国際長期生態学研究(ILTER)に関する研究グループの中でも特に窒素に関して取り組むグループのトレーニングコースへ参加してきた。今回は北大が会場なので、私はローカルComitteeとしてお手伝い。

 

コースには10カ国から学生および講師があつまった。前半は、札幌にてメタ解析、時系列データ解析について最新の手法を学んだ。

やりたいと思ってはいつつも敷居が高かった解析...本やHPではイマイチわからなかったところを聞く事ができ、具体的に手を出すきっかけにしたい。また、様々な形の窒素の同位体に関する話題についても聞く事ができ、機会があれば自分の研究にも取り入れたいと思った。

 

 

後半は北大雨龍研究林へ移動。窒素に関するフィールドワークの仕方を学ぶとともに、グループごとに実際にデータを取って解析•発表までを行う。1つの班が土壌中のミミズと温室効果ガスであるN2O放出量との関係に興味を持ってくれ、昨年購入したミミズ電気ショッカーを駆使したりしながら一緒にプロジェクトを進めた。

 

 

 

 

短い期間ながらも笹薮をかき分けながら得たデータは、はっきりとしたパターンを示していて、今後、具体的にプロジェクトに発展させるのも面白いと思う。

 

色々な国からきた分野の人と山に入ると、みんなが気にするところが違って面白い。例えばサンプリングをする際にも、微地形、方位、植生、時間....気にするところはいっぱいある。測定の待ち時間には、各地の研究事情について話したりもできて、これまでとは違って見える国が多かった(テキーラの国メキシコにトウヒがあるなんて!)。こちらもホスト役として北海道の森について折に触れて伝えたが、質問攻めにあいながらまだまだ知らない事が多い事を実感した。少しずつ少しずつレベルアップ。

 

コースには2年前にボストンでお世話になったPamela Templerさんも来てくれ、合間合間で共同研究の話しも進める事ができた。こちら今後の展開にも期待。

 

 

全体を通じて、これまでも自分は窒素を指標として土壌生物と植物との関係を調べてはいたけれど、如何に自分が表面的なパラメータのみを扱っていたことを認識した。と共に、どの程度まで深く、パラメータや手法にこだわっていくべきかなど改めて考えることが多かった。

 

世界各国のモチベーションの高い学生たちと、トコトン学んで飲み語らう日々。

サイエンスって良いな、と改めて思う2週間であった。

 

ここで得たつながりを大切に。

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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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