雪解け実験のはじまり

4月になってから...と思っていた雪解け実験。

例年になく早い雪解けに焦りを感じ、先週の月ー火曜日から繰り上げて開始!
学会前の慌ただしいタイミングでしたが、技術スタッフたちにサポートしてもらいばっちり設置してきました。

雪の中で重機を使ったり、より確実に処理をするために必要な資材をピックアップしたり。
論文にはでてこないけど、研究を進める上で不可欠なそういう部分。

これぞ研究林力。



去年に予備実験をしているとはいえ、うまく行くかはドキドキ。

祈りつつ、緑の時期を相手にしている皆さんより一足早くフィールドシーズンがはじまります。

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論文: ツンドラへのハイマツの侵入は土壌中の細根や炭素の量を増やすか?

以下の論文が受理されました。

Makoto, K., Bryanin, S.V., Lisovsky, V.V., Kushida, K., Wada, N. (in press) Dwarf pine invasion in an alpine tundra of discontinuous permafrost area: Effects on fine root and soil carbon dynamics. Trees - Structure and Function. 

30年前と最近に撮影された航空写真を見比べてみると、極東ロシアのアムール州では、近年、山岳地に広がるツンドラにハイマツという木が侵入しているのがわかります。



ハイマツは、ツンドラに元々生えていた高山植物よりも葉っぱや根っこを地面に多く落とす&土の中に供給し、土にたまる炭素の量が増加すると思っていました。

ところが、約30年間にハイマツが侵入した場所と現在もツンドラのままの場所で土を調べてみると、細根や蓄積している炭素の量に違いはありませんでした。

生えている植物が全く違うのに土の中は同じ。

この結果は、温暖化などに伴って生産性の低い植物が生産性の高い(≒ 葉•根っこを沢山つくる)植物に入れ替わっても、土に存在する炭素量が変わるまでにはラグタイムが存在し、土に貯留される炭素量の将来をモデリングする際の注意を喚起するものです。

この研究は、富山大学極東地域研究センターのグループ、そして昔から一緒に研究をしている極東ロシアの地質学および自然管理研究所のセミョンさんらとの共同で行ったものです。

雨の中、クマにおびえながら山を登ったり、たき火で暖をとりながらサンプリングをしたり、山小屋でヲッカを引っかけながら進めた研究です。
(それ以外にもここには書けない苦労が多々...)

今後もゆっくりですがアムールでの研究は続きます。

乞うご期待。



↑あちこちにある熊糞



↑山小屋の外で夕飯作ってます



沢山のヲッカ水をもってサイトまで。


 
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どういたい

急に暖かくなって、このまま一気に雪解けが進むかと思いきや、猛吹雪がやってくる。
この時期の吹雪は"彼岸荒れ"と呼ぶようで、今年は例年にない小雪年であるにも関わらず。みんな「やっぱりきたか」と言ってる。
ちょうどお彼岸のあたりにくる仕組みはなんなんだろう。
まだ雪が降る程度には暖かくなりきっていない時期の、気圧配置、寒気と暖気の相対的な位置関係がちょうど吹雪になるようになっているのだろうか。



一晩で積もり積もった玄関の除雪し、札幌まで日帰りでの出張。
訳あって車で移動となったが、この時期の長距離ドライブはやっぱり怖い。

この日は低温研で研究の打ち合わせ。
今どき、水を形作る酸素の安定同位体は、質量分析計ではなくレーザーではかれちゃうらしい。



さて、今週はいよいよ雪解け処理を開始。
勝負のとき第一弾。野外操作実験をはじめる前日、何度やってもドキドキしてしまう。うまく行くだろうか。今できる限りの段取りはできているだろうか。はじまってしまえば、後はなるようになるさ、と思うようになるのだけれど。

その翌日からは鹿児島で生態学会。
Excitingなサイエンスの話しをしながら飲む焼酎が楽しみです。
惜しむらくは、昔、屋久島への行き帰りで何度も行った焼酎天国という飲み屋がつぶれてしまったようだということ。

 
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記録:げんこつ山の登攀

1ヶ月ほど前に拳骨山に登った時の記録が、今日発売の雑誌:ROCK& SNOWのChronicle欄に掲載されました。



改めて読むと気合い入った文章になってます。
ご笑読ください。


 
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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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