野外シンポ2013

 
月曜日から金曜日まで、天塩と中川研究林で実施された野外シンポジウムに参加してきました。
教員として初めて参加するイベントでしたが、密度が濃く、色々と勉強になりました。

野外シンポへは全国から森林での研究に興味のある学部学生達が集まり、
昼間は教員や大学院生達が進めている研究紹介やそれに関連した野外調査体験をします。

夜は昼間に紹介された研究についてポスターセッションが開かれ、
夜遅ーくまで議論をします。

また、終盤では興味の似た学生メンバーでグループをつくり、
シンポで学んだことを取り込みながら、疑似研究発表を実施します。

シンポを通じて参加した学生さんたちのやる気に刺激を受けた、というのが一番ですが、それ以外にも研究林の他のメンバーが普段している研究の内情や、その紹介の仕方にも色々学ぶ所が多かったです。





また、夜な夜なフカッチー初め沢山の方達とお互いの研究や研究哲学について熱く語り合った頭は、今も未だ冷めやりません。

熱いぜ研究林。

自分のセッションでは「温暖化が大型土壌動物によるリター分解を通じて土壌や植物に及ぼす影響」について横浜での研究を中心に紹介しつつ、普段扱っているヤスデと同じ大型土壌動物ということでミミズのサンプリング体験を行いました。予想していたグループとは異なるミミズが、しかもかなりの現存量存在していることが分かるなど予期せぬ収穫もありました。

伝え方、盛り込む内容などまだまだ改善の余地が多々ありますが、
教育面でも研究面でも、いいはじめの一歩になったと思います。

最終日のエクスカージョンでは自分たちで釣ったヤマベを天ぷらにっ!



ホクホクでウマー!

つい食べ過ぎてしまった...最後の最後まで充実の夏の終わりの日々でした。


さて、今週もイベント盛りだくさんで慌ただしそうですが、1つ1つを楽しみつつ、
研究助成への応募や移動に伴う書類をきっちりこなして引っ越しまでこぎ着きたいと思います。
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北極圏のお話〜研究セミナー&スライドショー

 
8月最終週、札幌にてスウェーデンのお話をさせていただくことになりました。

研究のお話は8/26に「EZOゼミ」にて(詳細はこのHPにアップされる予定です)

演題:土壌凍結が熱い!ツンドラ生態系の構造と機能に及ぼす影響
場所:北大の何処か。

つづいて北欧での生活、山のお話&スライドショーは8/29にフェアトレード雑貨&レストラン「みんたる」にて。詳細はこちら

セミナーでは、解析が終わった(←いや、終わっていない)ばかりのほやほやのネタを、スライドショーでは、とりためた写真を改めて掘り返して、じっくり色んなエピソードをご紹介したいと思っています。

みなさま、お誘い合わせの上、ふらっとお越し下さい。

演題:北極圏の小さな村での生活









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空沼岳-湯の沢

 
少し前になりますが、トントンさんと沢登りに行ってきました。

一緒に行くのはなんと8年ぶり? 前回は確か、黄金沢〜群別川をつなげようと思って、群別を下りていったら雪渓があり得ない状態で滝にかかっていて突破不可能→登り返して帰ってきた(しかも沢沿いでのビバークは増水の恐怖で眠れず...)。

今回は空沼岳にある湯の沢。
初心者向けの人気がある沢のようで、他にも数Partyか準備していました。

沢自体は簡単でしたが、気温が30℃近い暑い下界を離れ、水流を遡って森に分け入って行くのはとても気持ちのよいもので。


シャワークライム


こんな滑があったり


小滝があったり。


源頭部に近づいてくる


沢の水はうまいね。



沢にかかる倒木に、ケヤマハンノキが更新していたり。


万計沼までで終了ー。

お互い昔よりいろんなしがらみは増えましたが、
ふっと思いついたときに誘い合って、また行きましょう。

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中川研究林へ

札幌にて研修中の身ですが、9月1日より中川研究林にて勤務する事となりました。

住むのは北海道で一番小さな村、音威子府(おといねっぷ)村です。
人口約850人。Abiskoの10倍、横浜の1/4315です。

年間の寒暖差は60℃。なかなかの豪雪地帯です。

厳しい冬が土壌や樹木の成長へ大きな影響を及ぼしているような環境で、進行する冬の気候変動が森林へどのような変化をもたらすのかを主に調べる予定です。
また、土壌動物に関しても少しずつ勉強しながら、樹木との関係を研究して行きたいと思っています。

研究林内では、蛇紋岩と堆積岩由来の性質の異なる土壌が分布していたり、パンケ山、ペンケ山という低山ではありますが標高差が得られるので、様々な生態系プロセスの立地依存性についても色々展開したいなーと妄想は広がります。

フィールドにどっぷり向き合いながら、じっくり研究する生活。

これまで落ち着きなく世界をフラフラしながら、半ば傭兵的に色んなトピックを研究をしてきた自分にとって、それは憧れでした。しっかりと根をおろし、ホームの森でコレまでよりも質的に一皮むけた研究をしたいと思います(でもフットワークも軽く...)。

札幌、また本州からは少し?遠いですが、名物そばあり、温泉あり、何より美しい針広混交林が広がっています。世界で他に例を見ないような大規模野外操作実験なども始めたいと思っているので(うまく研究費を獲得できれば...)、皆さん是非ともお越し下さい。
(利尻にも近いし、雪質も良さそう...)


パンケ山からの眺め。
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路面電車の走る街

学生時代は多くの北大生がそうであるように大学近くに住んでいたが、今は藻岩山に近い閑静な住宅街にある官舎にすんでいる。

職場への往復は基本的には自転車だけど、雨が降ったときや飲み会の後は路面電車を使う。10年も札幌に住んでいたわけだが、恥ずかしながらこれまで一度も使った事がなかった。

存在は知っていたけど、実際に使って、通勤や通学、デート、親子でのお出かけなど沢山の人に使われているのをかいま見る今になって、札幌は路面電車の走る街なんだなーと、改めて思った。


朝家をでると、お揃いのユニホームを着た子供達に会う機会が増え、世間は夏休みに入っているのだと知った。

大学はオープンキャンパスのようで、観光客に交じって大学の説明書の入ったカバンを手にした高校生達の姿もよく見かける。


札幌での生活。徐々に慣れてきているが、相変わらず、どうもしっくりこないところもある。多分それは"元の鞘"があるせい。

変わってしまった場所、そこに住む人、そして自分が居るのに「もともといた場所に帰ってきた」という事実はある。過去から連続的につづいてきた自分と、新しくはじまった自分との間で立ち位置が定まらないような。まだ定住の土地ではないというのもあるのだろう。来週には、どこに配属になるかが決まる様子。

さて、ようやく今後の研究計画が固まってきた。"樹木の成長や更新"、"有機態窒素"、"地質"、"冬の気候変動"をキーワードにチャレンジングなものと、堅実なプランを考える。
それぞれで、必要になってくる資金も異なる。確実性、現実可能性、魅力の間で、優先順位をつけるというよりは同時進行可能なペアーを考える。

色々な方との共同研究を進めながらも、自分で立ち上げたプロジェクトにたくさんの人が興味を持ってくれるのがベストな訳で、先立つものを得るべく書類書きを進める、そんな涼しい札幌の夏の日。

来週は名寄へ知床の土壌分析をしに。久しぶりの長期滞在。
さて、上手く動かせるかな...


↑神居古潭にあるボルダー"梁山泊"。コロポックル(6a+)で一杯一杯...
でもいい岩。
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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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