ビエイ

 
土曜日の夜は美瑛のごりぽんさん&やさきさんご夫妻のお宅にお邪魔しました。

北大ワンゲルの先輩であるお2人はトマト農家をしています。

十勝連邦の麓という絶好のロケーションであるので、山の行き帰りについついお世話になってしまいます。前回は原始が原へ行った帰りでした。

ごりぽん家には3姉妹がいて、渡欧する前はまだ生まれたばかりだった1番下の子もちゃんとしゃべれるようになっていて、2番目の子もおねーちゃんに、1番大きなおねーちゃんは、少しおませさんになっていました。

北極にいながらBlogでご夫妻の農業奮闘記、そして新たに入植した土地での生活を読むたびに、地に足をつけ、土に根をおろして生きていく事の厳しさと、素朴な、筋のとおった生き方が垣間見え、イマイチ落ち着きのない自分はそんな生き方をうらやましく思っていました。

一方、以前「ごんは世界中飛びまわって、いろんなもん見て、そういう生き方もいいなーと思うで」という言葉をもらった事があります。



Abisko滞在中、見晴らしの良いツンドラの大地をみながら
帰国したらゴリポン家でこの報告をしたい、と時々思うようになっていました。



↑ずっと作ってみたかったごりぽん作トマトジュースを使ったカクテル“Bloody Mary”。
ウマーっ。


↑もはや勝手に好物化してしまっているトマトジャムとクリームチーズ on クラッカー。

みそぱん、あすきちゃん、かっつんも一緒に美味しいご飯をたらふくいただいて、
酒が周りきってしまう前にはじまりはじまりー。


↑カーテンでつくった手作りスクリーン。


山で出会った動物
寒さに耐えていきている植物
変な格好をした人たち、色々な食べ物

そしてオーロラ


美瑛よりももっと寒いところ
そこは地球のはじっこで
サンタクロースを引っ張るトナカイが沢山いる場所がある

そしてそのトナカイ達を飼いながら生活している人たちがいる


忘れてしまってもいい。
でも、今、何かを感じてくれて、その気持ちが何かに繋がれば嬉しい。

そんな事を思うのは少し押し付けがましいのかな。


また来年来ます。

また、土産話と酒持って。


素敵な時間をありがとうございました。


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カミホロ

 
土日でカミホロへ行ってきた。
スウェーデンに行く前以来なので2年ぶり、いや、3年ぶりか。

今回のパートナーはミソパン君。

登山ブームのせいか十勝岳温泉の駐車場は以前にも増して一杯。

冬山装備になり、ビーコンチェックをして歩き出すと5年前のことが思い出される。

自分はここからまた歩き出した。

安政火口への沢中で追悼。


土曜日は北西稜へ向かう。

視界が悪く、はじめ八手岩へ向かう尾根を上がってしまう。

気を取り直して北西稜にとりつき、快調に高度を上げる。
雪がついていて簡単なせいか、どこが核心か曖昧。


頂上直下の岩壁で練習のためにロープを1ピッチ出した。

取り付きから上まで2時間。
まあまあいいペースでしょうとピーク写真なんぞ撮って喜んでいたけど、本当の核心はここからだった。。。

主稜線上では風が強まり、時々バランスを崩される。
何度も通ったことがある主稜線からD尾根への降り口もなかなか見つからず一苦労。

いつもならなんて事ないD尾根も、コンパスや地形を丁寧に見ていかないと吹きだまりに入り込んでしまう。

気づいたらヘッドランプを出しながらの行動になってしまったけど、無事に温泉まで下山できた。

主稜線での強風で鼻とほっぺに軽い凍傷を作ってしまったが、全身と感をフルに使った1日になった。

翌日は、化け物岩の左ルートへ。
左の左ルートへ行くかっつんとアスキちゃんと途中まで一緒に行く。

1ピッチ目は自分が、2ピッチ目はコンテで、3ピッチ目はミソパンがリード。


どうも3ピッチ目は派生ルートを登ってしまっていたらしく、一カ所妙に立っているところがあった。

懸垂2ピッチで取り付きに帰り、下山。


今年も無事に終える事ができました。

帰りには白銀荘に寄って新しくできたヒバ風呂を堪能し、富良野で焼き肉食って帰る。

充実の2日間でした。
一緒に行ってくれたミソパン、アスキちゃん、かっつん、ありがとう。

また、登ろうね。
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サッポロ

 
5年前の雪崩事故の追悼をするために週末は北海道へ。

札幌ー10年間住んだ街。

色々な思い出が詰まった街。

これ以上密度の高い場所は、この先自分の人生に現れるのだろうか。

あの頃いたメンツの多くは集団移動したみたいに関東にいて、
学生時代の友人に会おうと思ったら、横浜近辺の方が簡単だったりする。

でも、この土地とここに住み続けている人たちは暖かく迎えてくれて、
帰ってきたなーと感じさせてくれる。



天気が悪いので入山を一日遅らせた。

思いがけずできた時間で母校や街をぶらぶらと歩いた。

いつもは目的があって、約束があって、それに向かってくるから、
こんなに何気なく札幌を歩いたのは久しぶりだ。



ステラプレイスのタリーズコーヒーでコーヒーを飲みながら夜の札幌を眺めていたら、

隣に座ったおばさんに

「札幌、いいわよねー」と声をかけられた。

よっぽど顔に書いてあったんだろうなーと思う。



昔と入っている店舗が変わっている場所があったり、ビルが丸々なくなって駐車場になっていたり、見慣れたようで少し変わって行っている、そんな景色に湿った雪が降る。

落ちたそばから溶けていく、
柔らかいさむさ。

ふと気づく、
近頃は世界を正面から、正攻法でしか見なくなっていた事に。

カフェに入ってもPCの画面ばかり見ていて、
ほっと外を眺めて
ふっと何か遠いところを眺める事が少なくなったことに。

街が代わったからか
僕が変わったからか

変わることは当たり前の事。

ただ、その軌跡をつくりだした「あるようでないような理由」を自分の中に時々探しながら生きていきたいと思った。
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お知らせ:冬の気候変動に関するシンポジウム

 
先週は公私ともに1けじめついた1週間でした。

単純にみればいい事がなかった1週間でした。

ただ、物事、何でも2面性があります。

負け惜しみみたいになりますが、どうせ切り替えるなら今回の結果をPositiveにとらえて、
前向のめりに1つ上の自分を目指して精進して行きたいと思います。

やったるでー。

来週は雪の岐阜県は高山試験地にてヤスデ調査。
と、その前にやっちゃわなければならないことが多々。。。

さて、来る3月に静岡で開かれる生態学会にて、京都大学の小山さんと冬の気候変動に関するシンポジウムを主催することになりました。

「冬」

...夏よりも寒くて、場所によっては雪が降って、水が凍ったりする季節ですね。

そうした気候は冬という季節を持つ生態系内に住む生き物に影響を及ぼしています。
一方で近年、年間の最低気温の上昇や積雪量の減少など、冬の気候変動が報告されています。

今回のシンポではそうした気候変動が、土に住む生物や植物、そしてそれらが担う物質循環に与える影響について最新の成果を紹介するとともに、今後、研究を展開して行くべき方向を探ります。

シンポジウムにはAbiskoに調査に来ている時に知り合い、その研究と人柄に惚れたオランダ、フリー大学のHans Cornelissenさんをお招きし、key note lectureをしていただきます。

さらにさらにっ!ずっとこの人達の話がききたいっ!と個人的に思っていた国内の研究者の方々に話題提供をしていただいたり、コメンテータとして参加いただける事になりました。

うーん、贅沢だー。

以下、詳細です。みなさま奮ってご参加ください。
お客さん、沢山くるといいな。


日時:

3月7日 (9:30-12:30)

会場:

静岡市、グランシップ静岡 (開催される部屋は未定)

シンポジウムのタイトル:

Winter climate change: its significance in plant-soil system
(冬の気候変動:その土壌ー植物系における重要性)

概要:Summary

Winter climate characterized by low temperature and snow cover influence the activity of plants, soil fauna and soil microbes that are involved in ecosystem functions of plant-soil system. Not only in high latitudes and alpine systems but also in temperate lowlands, winter climate has significant influence on plant-soil system. The winter conditions in these ecosystems are subject to rapid climate change, which are less studied compared to summer climate change. To predict the future of terrestrial ecosystem functions, enhanced understanding of the consequences of winter climate change is required. 

In this symposium, we invite researchers studying the relationship between winter climate and plant functional traits, plant-insect interaction and related biogeochemical cycles. In addition, the results from advanced projects investigating the effect of snow cover manipulation will be introduced. At the end, we would like to discuss how recent findings suggest new directions of research to understand plant-soil systems under the geographical and climate conditions unique to Japan. We welcome your participation! 

冬の寒さや降雪は、極地や山岳地のみならず冷温帯の低地でも、植物や土壌動物、土壌微生物など土壌−植物系に含まれる生物の活動や、それら生物が担う生態系機能に影響を与えている。一方で近年、そうした冬の気候の劇的な変化が報告されている。将来における陸域生態系の将来像を予測するためには、冬の気候変動が土壌−植物系へ与える影響に関する研究は不可欠である。にもかかわらず、冬の気候変動に関する研究は夏のそれに比べて、世界的にも、特に国内では研究が進んでいないのが現状である。

本シンポジウムでは、冬の気候と植物の機能形質、生物多様性や生物間相互作用との関係や、それらの生物が担っている物質循環に焦点をあてた研究を紹介する。また、積雪量などの操作を通じて実験的に冬の気候変動を再現しその応答を調べている方を招き、研究の最前線を理解する。シンポジウムの最後には、コメンテータとともに、今後、日本の持っている地理特性・気候特性を生かし、研究・プロジェクトを展開する上で方向性を探る。

演題と演者:Titles and Speakers

Makoto Kobayashi (Yokohama National Univ.), Koyama Lina (Kyoto Univ.)

Introduction: Why we should study winter climate change.

Hans Cornelissen (Vu Univ., the Netherlands)

Winter climate, plant traits and nutrient cycling

Gaku Kudo (Hokkaido Univ.)

Ecological significance of phenological variation caused by snowmelt time in northern ecosystems

Hideaki Shibata, Yuko Hasegawa, Tsunehiro Watanabe, Karibu Fukuzawa (Hokkaido Univ.)

Impact of snowpack decrease on net nitrogen mineralization and nitrification in forest soil of northern Japan

Yosuke Yanai, Yukiyoshi Iwata, Tomoyoshi Hirota (NARO)

Nitrous oxide emissions from soil in relation to winter climate

Miyazawa Yoshiyuki (Kyushu Univ.)

Winter photosynthesis by evergreen broad-leaved trees in a deciduous temperate forest 

Commentator; Takuya Kajimoto (FFPRI)

Discussion towards the unique study of winter climate change in Japan: the snow rich and/or temperate region


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秋登り

 
そろそろ暖房機器を買わないと、と思いながら毛布にくるまっているあごです。

通勤で自転車に乗っていてもススキの穂が目立つようになり、
あちこちで柿をいただく事が多くなってきました。

八甲田山で採集してきた土壌動物はうまく捌けつつあるのですが、どうも分析装置の機嫌が悪かったりで無機態窒素の分析が進みません。

登りの方はというと、最近は天王岩や鳳来に行ってました。

天王岩でRP体制(と信じたい)なルート、結局登れず今に至り。。。
少し空いてしまったけど今度こそは。。。

鳳来にも初めて連れて行ってもらいました。

岩にいる人たちはつよつよな人たちばかりなのですが、どの方も気さくで真摯にクライミングに向き合っている感じがして、とても居心地がよくクライミングに入って行ける場所でした。

ガンコ岩、鬼岩で10代のルートをいくつか登りましたが、11aルートはどれも登れず、
宿題をいくつか作ってきました。鬼岩にある「鬼岩入門」はガバガバなんだけど自分にとっては傾斜が強く、地球の重力を体全体に感じながらのクライミングでした。


↑合流したまじょ子さんの鬼岩入門。

ガンコ岩にある「ドスコイ」は、どすこいクライマーを自称する自分としては是非落としたいネーミング。

初日は久しぶりにひもを結ぶキチさん(シチリア以来か!)と登っていたのですが、2人だったので登り中の写真無し。。。でも、ぽかぽかの、いいー陽気でした。

連れて行ってくださった攀じ攀じご夫妻の登りやルートに向きあう様子をみて、色々勉強になりました。


↑ハイカラ岩の攀じ攀じご夫妻。傾斜、ルートのスケール、半端ないっす。

いやー、いい日だった。


↑クリスマスリースになりかけのリターたち。
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交わるミミズ

 
ただ絡まっているだけではなく交接(交尾ではなく)中のミミズ。


初めて見ました。
詳しくはWikipediaでミミズを見てみてください。

修士の学生さんが飼っているミミズなのですが、こういうのを日常で見れると今の研究室にきてよかったな、と思う瞬間です。
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桜のはっぱ

 
夏くらいからずっと気になっている。
桜の葉っぱの食べられ方。


きれいー。
でもってなんか不思議。

でも、その不思議さを表現する言葉が、
のどまででかかっているけどピーンとくるのがみつかってない。

それをうまく表現できたらいいのにな。
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権現堂川


五霞村(今は町になってしまったけど)にある生まれ育った家の近所には、昔、権現堂川という川があった。

3歳頃だったと思う。河畔は小さな自分の背丈よりも高い草薮で覆われていて、草いきれのなか七夕の飾りのついた竹をながしたり、祭壇を作ってご先祖様の供養をしたりしたのを覚えている。

小学校にあがるころ、その権現堂川で大規模な護岸工場があって、コンクリートで囲まれた川は行幸湖という名前に変わってしまった。関東の片田舎の子供よろしく、よく釣り竿を持ってブラックバスを釣りに行ったりして遊んだが、周辺にある工場からの排水、水の流れが滞ったことなどが理由でそのうちアオコが大発生したり異臭を発するようになった。

通学途中にクワガタを捕まえていた森がどんどん減り、権現堂川が汚れて行く一方、テレビでは環境問題が取り上げられることも増えた小学生時代、得体の知れない怖さで眠れなくなった夜もあった。大学に行って何を勉強しようかと高2のころに考えたとき、その時の記憶が環境問題に関することに向かわせた。

そんな思い出のある権現堂川(今は行幸湖)で、最近父親がなにやら浮き島なるものを作って環境保全活動?をしているらしいという。日曜日にイベントがあるのだけど男手が足りないかもしれないというので手伝いに行ってきた。

行ってみればあいにくの雨にも関わらず沢山のひとがスタッフとしてもお客さんとしても来ていて想像以上ににぎわっている。


浮き島には木炭の入った袋をくくりつけられ、炭袋には葦やガマの地下茎が埋め込まれている。
1年も浮かばせておけば、植物が成長して水鳥が羽を休める小島になるようだ。

親父曰く、

「浮き島自体、名目上は水質改善が目的ということになってはいるけど、その効果は、まあそんなに大きくはないだろう。機械でやる水質浄化装置の方がよっぽど効率的。だけど、こういう運動を通じて地元の人たちが身の回りの環境問題に興味を持ってくれて何かするというのが大事」


間伐材や地元の竹を使って作られる浮き島。

やることは単純なんだけどなかなかどうして作り出すと子供そっちのけで熱中しちゃったり。

「浮きウキフェスタ」というありがちな親父ギャグ的ネーミングのお祭りの一環で浮き島作りがあるのだが、他にもカヌー体験ができたり、色々な企業がブースをだして環境保全への取り組みをアピールしたりしてて。


あの頃の川には戻らないけど、子供の頃から悲しい目でだけ見ていた川を舞台に、今、何か動き出しているふるさとの人たちや、そこにあの頃の自分と同い年くらいの子供達が参加がいるのを見て、嬉しい気持ちになった。


ご興味があれば、五霞川の会のブログもどうぞ。

http://blogs.yahoo.co.jp/gokakawanokai

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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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