論文;土壌が凍って動くと土壌有機物の分解が促進されることもある

 
以下の論文がSoil Biology and Biochemistry誌に受理されました。

Klaminder, J., Giesler, R., Makoto, K. Physical mixing between humus and mineral matter found in cryoturbated soils increases short-term heterotrophic respiration rates.

これまで"寒さ"は様々なメカニズムを通じて有機物の分解を抑制し、例えば冬の寒さが厳しい北極圏の土壌における巨大な炭素貯留に貢献していると言われてきました。

本論文では、”寒さ”にともなって起こる現象の中には(ここでは土壌の凍結融解に伴っておこる土壌移動)、むしろ有機物の分解を促進しちゃうプロセスもあることを発見しました。

この成果は、例えば温暖化して冬の寒さが和らいてしまうと土壌中に蓄積する炭素量がどうなるの?というこのを予想するモデルを作る際に役立ちます。

本研究では、筆頭著者のヨナタンと一緒にアイデアを出し実験および解析を担当しました。

あこがれの1つだった土壌系のTop-journalに論文が通せた事、
スウェーデン時代の成果がでてきていることは嬉しい事ですが、
次は自分がFirst authorとして載せる事ができるようにがんばりたいと思います。

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懐かしいメンツ


久しぶりにglobeを聞いていたら、まーくぱんさーのラップパートが聞き取れて嬉しかった顎です。ヒアリング力、ちょっとは成長してる。

週末は懐かしい方々と会いました。

金曜日の夜には、北海道や名古屋から会議のために集まっていたいつ兄、モリさん、西子、もっち(←初対面)と飲みました。


北大研究林には、修士課程1年の間しか在籍はしていなかったのですが、
実際はその後もD論研究を通じてとことんお世話になりました。

今回飲んだのはその頃の仲間。

昔の自分を知っている面々、それから似た方向性を目指して歩いてきた人だからこそ、自分で気づけていない自分のことを言葉にしてくれたり相手の生き方が気になったりします。

First post-docを終え、研究テーマは色々なものを扱いつつも自分なりの型ができつつあると思います。できることとできないこと(やらなくってもいいかなと思うこと)が見えるようになった、と言うことでしょうか。

そうした自分の型を受け入れて具体的に発展させて行くにはどうしたらいいか。
いつ兄さんの言葉には、そんなことを考えさせられました。

もりもりは年が同じということもあってお互いにライバルを公言する仲です。

自分が持っていないものを沢山持って成果を出している彼からはいつも刺激をもらえます。
へちょへちょな顎ですが、自分もそういう存在で在れるように頑張りたいと思いました。

西子には、こちらが話を聞いているようで、はっとさせられるような言葉をもらいます。

「世界のどこでも楽しく生きて行く根拠のない自信だけじゃ足りないんですか?」

3人とも、これまでもこれからもいい仲間でいたいと思いました。


******


土曜日、天王岩で登った後には修士のときの同期のピダ&牛くんとマジスパに行きました。
日本に帰ってきてからずーっとずーっと行きたかった場所です。


突然呼び出してしまったピダ、4−5年ぶりというのに全く変わっておらず。
ま、下北沢とはいえザック背負ってスープカレー屋に突っ込んで行く自分達もたいがいですが。


↑やっぱりこれ。ポーク角煮虚空。昔と違うのはご飯の量が少なめ。

びっくりしたのはマジスパ北海道店で働いていた店員さんに、

「お久しぶりですねー、相変わらず冒険みたいなことしてるんですか?」

と声をかけられました。

「いや、お久しぶりも何も5−6年ぶりですよ笑」

と眼力の強い、通称「マジスパねーさん」に伝えるとそんな久しぶりの感じがしないとのこと。


お互いインパクトが強いんでしょう。
つくづく悪いことはできないな、と思った瞬間でした。

天王岩ではノーリージョイ(11b)の核心が3/10くらい?な確率で止まるようになりました。一手ものの課題なので、確率あげて来月中には落としたいと思います。

岩を登っていると↓こんなやつがいたり。


ホールドを探しているミドリババヤスデ。

岩とヤスデ、これであとタコが、、、、

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ひょうたん(Lagenaria siceraria var. gourda)

 
大学構内で育てていたひょうたん、一番大きなのが行方不明になってしまった。
残った3つはこんな感じ。


うーむ、小さい−_−)
というか膨らむ方、逆じゃね(笑)?

あわよくば"ひょうたんスピーカー"か水筒をつくりたいなーと思っていたんだけど、
これじゃウイスキー入れくらいにしかならなそう。

ま、健康的なサイズということで。

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昨日は研究室で取り組んでいる森林内の放射性セシウムに関するプロジェクトのお手伝いで福島に行ってきた。

稲刈りも終わり稲藁が思い思いの形で干されていて。


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最近登っているのは、車のない自分は電車とバスで行ける天王岩か御岳。



ルートではイマイチ成果というのがないんだけど、
ボルダリングでは2級のを2つ2撃でやっつけた。


↑白狐岩?に取り付く西子。

次はデッドエンドと忍者返し。
でも、ルートで成果が欲しいなーと思う日々です。
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秋の刺激

 
金曜日に八甲田での調査を終え帰横。
そういえば新幹線にも大分慣れた。


サンプルが大量に入ったクーラボックス×2抱えて花金の在来線に乗りかえると視線がちくちくする。

最終日には高山帯では初雪がみられた。


まだ低山のブナ帯では紅葉が始まったばかりで、
緑とも黄色ともオレンジともつかないはっきりしない色になっている。


お世話になった東北大学植物園八甲田山分園も2週間もすれば閉所となり、長い冬を迎える。

次に来るのは来年の春頃だろうか。

週末は、土壌動物が元気なうちにやってしまわねばならない抽出大会。



↑こんな奴らがたくさんいて、土の中の養分循環に重要な仕事をしているとかいないとか。


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ナチュレ誌に論文を通すといって渡米した先輩から朗報。

有言実行。

嬉しくてソワソワする。
でもそれ以上に悔しい。

方やキチンと成果を出していて、
方や、ナチュレどころか渡欧前の目標だった兄弟誌、生態学系のトップジャーナルに載せることすらできていない。

今は悔しさを焦りにかえず、目の前のヤマをきちんと成果にしよう。
うまく行けば、ナチュレは無理だけど、目標の雑誌に通すことだって可能だと思う。

もういい加減、言い訳みたいなことを繰り返すのは嫌だ。

改めて自分の目標とすべきところを考えさせられました。

今の自分に必要なのは、安い/易い手ばかりを打たず、
じっくりと時間をかけてやることを選び、それを確実にものにすること。

向上心と、好奇心、選球眼と忍耐。
そのバランスを、もっと高みで取りたい。

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Autumn blooming!

 
昨日から調査のために八甲田山に来ています。

ここでも今年はなかなか暑さが抜けなかったようですが、
最近、急に寒くなったせいで、高山帯は丁度紅葉の見頃です。

濃い緑の静けさと赤や黄色の鮮やかさが混じっているときが、
針広混交林の美しさに見とれてしまう瞬間。

染まり
実り
ながーい冬支度まえのオシャレ。











日本の秋。

こんな景色をみながら食べるおにぎりは絶品。
一緒になったトレッカーのおばさん/おじさんからもやたらとお裾分けをいただいてしまい、、、、どすこーい。

不可抗力だな。

明日からの天気が気がかりですが。。。。
酸ヶ湯温泉に浸かりつつつ、気合い入れます。
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肥ゆる秋

朝ふっと寒さで目が覚めて、
布団をかけて二度寝をしたくなる時期になりました。
 
天高く、あご肥ゆる秋。

というわけで、横浜ではオクトーバーフェストが行われていて、
美味しいビールが飲める訳です。


↑”美味しくないビールは世の中の敵です”T-shirts.


オクトーバーフェストの本場ミュンヘンのビアもいいですが、
最近のお気に入りのブルワリー"BAY BREWING YOKOHAMA"のも飲めたりして。

ま、肥えますわな。

4月に帰国して夏までで3kg落としたのに、
夏のスウェーデン→ロシアの間に”国際交流”と言う名の宴会が続いたこともあり。。。

すっかり冬支度もいいところ。

ま、ちょっとずつ落として行きます。

仕事の方では、最近は相変わらず土壌を捌きつつ、待ち時間を使って富士山調査に行きました。
ヤスデの専門家の先生2人との野外調査は色々と勉強になりました。


3連休の初日は大学時代の部活の友人、選手、うにお、そして新たに加わったウニ子と城山に行きました。



↑バトルランナー3ピッチ目の終了点。

夜はテッパンメニューの豚キムチに、オリオンビールと三岳というなぜか南なお酒達に舌鼓をうちながら、キャンプ(というかほぼ野宿)

その後、牛久んと初めて天王岩に行きましたが、、、

しっかし、登れないー。重い。いわゆる”どすこいクライマー”ですね。

目の前で自分の親世代のおじちゃんおばちゃんがホイホイ登っているのを見ると、
情けなくもなりつつ、メラメラくる訳です。

ところでiPS細胞の山中先生、ノーベル賞を受賞されましたね。
こんなときだけ都合良く民族意識が芽生え、”同じ日本人として嬉しい”なんて思ったりします。

日本における研究者を取り巻く環境のこと、
財政的なこと、
純粋に興味をつきつめていくことの大事さ、
と同時にうまく世を渡ってお金を集めることの大事さ。

自分のやりたいことをとことんやろうと思います。
やり続けるために必要な色々なことも、きちんとやりながら。

来週は八甲田山で土壌動物調査。

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実験終了

 
7月の頭から仕掛けていたマイクロコズム実験が終了したので、
すぐに捌いてしまわねばならない土壌や植物サンプルを処理する日々。


↑土の表面いっぱいに入れておいた落ち葉も3ヶ月するとこれだけしか残っていない。

見た感じでは、リファレンスとなるデータは予想通り取れていそうなので、
実験はうまく行った気がする。

さて、後は処理の効果がどうでるかなのですが、それは分析してからのお楽しみ。

ところで、アビスコ在住の友人のブログ。

バンジージャンプならぬ。。。

http://abiskonyheter.tumblr.com/post/32446596706/moose-jumping

ムース狩りの後の1コマ。
こないだ調査に行くのに乗ったやつです。
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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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