Meeting in 京都

 
関空に降り立ち、そのまま周極域研究プロジェクトのMeetingのために京都へ。

Kirunaからの24時間。感慨深く物思いにふける…というよりは、
翌日、来週、来月、やらなきゃいけない事で頭が一杯だった。

京都での宿は、実は先週までアビスコに来ていて、
全く久しぶりではないキチさん宅にお邪魔している。

到着した日の夜、遅くにも関わらず銭湯につれていってもらった。

さっそくJapanを満喫。

翌日からの会議では、シベリア、アラスカ、カナダ、北欧で
ここ最近に日本の研究チームが出した結果・成果を聴く事が出来た。

どれもこれも面白そうな研究ばかり。

そして、各サイトが、見方によっては色々と面白そうなGradientとして見れそうで、
妄想は膨らむ。

これからも北方林研究に関わっていきたい。
でも、本業の東北での仕事(学振PDのプロジェクト)もある。

綺麗事ではなく、どう日程・エフォート・脳みその折り合いをつけてやっていくべきか。
短期的、長期的に見て、今、何をしておくべきなのか。

パッションだけなら、どれにも100%でいけるんだけどな…。

会議の後は京大近くの食堂へ。

さんま定食が目と腹にしみわたる。


定食の写真を撮っていると、誰かに「もはや外国人旅行者だな」と言われる…。

まずい、京都に来てから、目に映るものの殆ど(洋風のもの以外)が、
殆ど美味しく見えてしまって仕方ない。

むかし、研究室の後輩に

「(就職先の)東京、どうよ?」と尋ねたところ、

「東京はおいしい」

という返事がきて爆笑したが、今ならその時の彼女の気持ちが胃が痛いほどわかる。


「日本はおいしい」


コンビニで売られているもの、
街角のさびれた定食屋、
”餃子”とだけ書かれたかんばん。

レイナーの言葉が思い出される。

「マコト、いつだって全部は選べないんだ…」

大分、使われる状況が変わったが…摂理。

半日自由になったので、銀閣寺と北野天満宮を散策。




あいにくの雨だったけど、霧の立ち込める庭園を歩いたり、
雨で湿っぽくなった梅の香りを嗅ぐながら、
ここが自分の国なんだなーと実感する。

天満宮では、これからのプロジェクトが上手く行くようにお祈り。




↑総研のふじーさんお奨めの和菓子屋・老松。Japan過ぎる…。

さて、いよいよ実家に帰り、横浜への引っ越しを始めます。
そして来週は森林学会!

土壌炭素や菌根、根に関する面白そうなセッションがあるので楽しみ。

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一緒に山火事研究を進めてきた北大の佐藤さんが、生態学会でポスター賞・優秀賞を受賞!

Effect of understory vegetation on different successional groups of seedlings regenerating in a deciduous broad-leaved forest after a surface fire. Sato, K., Makoto, K., Shibuya, M., Koike, T. 

(Succession/Regeneration部門)

学部4年生の時から、持ち前の気合いと巧みに友達をサイトに連れていく話術(?)を駆使して実生を調べつくし、気合いで纏めた成果。一緒にサイトを設置して、色々議論しながら進めていく中で「お、そういうこと、思いつくかいっ!」という驚きが何度もあったのが印象的でした。

3年間お疲れ様でした。

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アビスコ最後の日。


春の様な陽気。


週末に一度、気温がプラスになって、またマイナスに戻ったので雪面が氷化し、
村を囲む山の斜面が光を反射して眩しい。
 
朝早く起きて荷造りを終え、職場に行って乾かしておいた大量のポリビンを箱に戻した。


エリックとシェアしているオフィスも、サンプル保管室も片付いた。


暖かいしみんなでランチを食べに行ったあと、
論文を修正してヨナタンに投げる。

午後4時。少し早いがこれにてAbiskoでの仕事納めとする。



村をぶらぶらして写真を撮りながら、Stornabbenといういつもの丘へ。

一帯の谷に霧が立ちこめる白夜。

一面のダケカンバが、色とりどりに染まる秋。

鏡のように光を反射する凍ったトルネトラスク湖を見下ろしながら初日の出を待つ厳冬期。

何度も登っては、アビスコを見下ろし、周りの山々や池に見入った丘。

そして今、湖は白く雪で覆われて、いくつもの人影がアイスフィッシングをしている。


スキーを譲ってしまったのでツボ足で登っていくと少し汗をかいた。

ダケカンバの森を駆けていくいくつもの足跡。
雪が降ったり、強い風が吹けばすぐに消えてしまう。


自分がつけた足跡も、道などになるまでもなくすぐに消えてしまうのだろう。

何かを残すことは大事だ。研究者である自分の場合、それは研究成果を論文を書くこと。

でも人として、自分がやっている事の限界や、そのはかなさを受け入れる潔さも、
心のどこかに持ち合わせていたい。

自分がいたからこそ明らかにできた自然の不思議、重要さ・面白さを研究しながら、
それでも淡々と生きていければと思う。あまり「先」や「振り返った跡」ばかりを気にしてばかりいないで。

自分に「淡々」という言葉が似合わないのがやなんだけれど…。

最後の日だし2年間を振り返ろうと思ったが、
もう充分、振り返ったのでやめることにした。

いい仲間と、いい研究ができた。それに尽きる。

わくわくした事、嬉しかった事、やりきれなかった事、寂しかった事…。
挙げれば切りがない。切りがないけど鮮明に思い出される気持ちたち。

その1つ1つが、自分の中にしみついている。
そして、その"しみ"が、少し自分に自信を持たせてくれている。

何に対しての自信なのかは、まだよくわかっていない気がするけれど、
今は、確かにあるそれを胸に、
ここから日本へ、横浜へ、帰るのではなく一歩を踏み出そうと思う。

新しい挑戦。

といっても、新たな仲間たちとともに、面白い研究していくだけだ。
その点をシンプルに求めるにはどうしたらいいのかを、ここアビスコで学んだ気がする。

さて、これにて"顎ろぐ・北極圏編”はおしまいです。

取りとめもない文章にもかかわらず、ご愛読いただきありがとうございました。
今後も"横浜・大都会編"が続いて行きますので、よろしくお願いいたします。



今日もオーロラは全開。庭先や窓からオーロラを眺める夜もおしまい。

名残惜しくは無い。

さて、出発すっぺ。

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エレン風・パンケーキ

 
ある日、エレンの家に行くと、ばかでかいフライパンがあるのに気づいた。


あまりにでかくて、楽器の"ドラ"みたいだ…。

「これ、なんにつかうん?」

「あれ、マコトは私のパンケーキ、食べたことなかったっけ?」

という感じで、オランダ風パンケーキを御馳走になる事になった。

30歳になっても食いしん坊で鳴らしている私であるわけですが、
流石に、あの大きさのパンケーキをジャム&生クリームたっぷりで食べるのはかなりの勇気がいる…。

若干ビビりながら当日行ってみると、野菜やチーズを切れとのこと。

甘甘バージョンではなく、しょっぱいバージョンであるようだ。
ほっとしながらみんなで準備。


アムステルダムではパンケーキレストランなんぞも結構あって、
ちょっとした時に外食しに行くらしい。

みんなで切った野菜やチーズをつかって、エレン姉さんが手際良く作っていく。


日本人的にはパンケーキというよりはピザな感じだけど(実際、アムステルダムから来ているエバちゃんもピザって呼んでたし…)、薄い生地にいろんなチーズが溶けてのっかっていて、とってもおいしかった。

でもやっぱりでかい…。


太りそう…。
いや、もう既に、太ってる。

(コバヤシマコト・心の俳句)


ごちそうになった帰り、外に出るとムースがいた。

線路わきに生えたダケカンバの根元で、萌芽してきた枝先の冬芽をむしゃむしゃしている。

流石、森の王様、でかくであまり近づけないが、しばらく遠目から眺める。


芽を食べる音が聞こえる近さで、この大きさの動物と何の隔たりもなく一緒にいる緊張感は、1人間として生きることの大事さと、そんな基本を忘れている自分を気づかせてくれる。

空にはオーロラも伸びてくる。


こんな何気ない花金も、最後なんだろうな。
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髪の毛をきってもらったの巻

 
大分、髪の毛がのびた。
もう、雑草のように抜いてしまいたいくらい...

時々、本気で抜こうとしている自分をみて哀れに思ったのか、Signeが切ってくれた。


すっきりさっぱり。

脳みその温度が3℃くらい下がった気がする。



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バイバイ Jonatan

 
Umeaからヨナタンが来て、論文の打ち合わせやこれからの長期的な話をした。

論文の方は"詰め"をする予定ではあったのだけど、よくよくレイナーからもらったコメントを読むともう少し時間がかかりそうだ。といっても、やっぱり顔を突き合わせて議論をし、
分担作業で解析や図を作って、文章をたたき合って行くのは効率がいい。

3日間で大分いい形になった。さて、関東で桜が咲き終わる頃には何とかなるかな…。

ヨナタンとはココでお別れ。

彼がPIのグループで仕事が出来て本当に良かった。

彼はGeologistなんだけれど、Ecologistの観点を欲しがっていた。

僕はまだEcologistと言える知識は無かったけれどそうなりたいと思っていたので、勉強しながら論文を書くいい機会になったし、Geologicalな観点や測定項目を交えながら新しい研究を展開する事ができた。

そもそも、彼がツンドラ関係の予算を当てて公募を出してくれなければ、
僕もAbiskoに来る機会は無かっただろう(Umeaに行く機会はあっても)。

全てのきっかけを作ってくれたヨナタンに、ありがとう。

これからも、一緒に面白い研究をやりつづけましょう。


↑まじめそうな顔をする2人。
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Kebnekaise − Östra Leden


はじめに

北極圏では、高所に行かなくても氷河がある。
その氷河や、氷河に削られた荒々しい山の中に身をおきたい。

そんな気持ちから、また、2年間のLappland生活の集大成としても、
冬のKebnekaiseに登りたいと思っていた。

ノーマルルートは面白くなさそうなので、バリエーションルートの入門的存在であるÖstra Ledenにトライする事に前夜にはルートに詳しい山岳ガイドの友人を訪ねて様子を聞く。核心部となるルンゼには春〜秋にはFixロープが張られるらしいが、この時期にはまだ無いらしい。余計なものがなくてかえって好都合だがどうなるか。

色々聞いた後は、ビールを煽りながらTylerの家で荷造り。行った事のない、少しChallengingなルートへ向かう準備をしている時の、緊張と期待が混じったこの感覚は何とも言えない。


1日目出発、そしてKebnekaise Fjallstation (Mountain Station)まで

朝起きると快晴。天気予報ではKebnekaise周辺はしばらく良さそうだ。

AbiskoからNikkaluoktaまでは車で2時間強。ここまで来る道路脇のヨーロッパアカマツ林では、ムースを何匹か見た。出発の準備をしていると、早くもKebnekaise周辺の鋭鋒たちが見える。

NikkaluoktaからKebnekaise Mountain Stationまでは平坦なので、山スキーとスプリットボードはプルカと呼ばれる橇にくくりつけ、足回りは歩きやすいクロスカントリースキーで行く。


プルカに載った大量のビールが重い。自業自得。
凍っているLaddjujavri湖の上をまだ遠い山々を目指してのんびり歩く。快晴無風。


何台かのスノーモービルが脇を通り過ぎていくのが少しうざったいが、ここはモービル大国・スウェーデン。そしてここは彼らの国。Mountain Stationの直前が若干の登りになっていて、重いプルカを引っ張り上げるのに苦労した。19kmの道のりに5時間半かかった。Mountain Stationは電気あり、サウナあり、レストランありの快適な小屋。さっそく荷揚げしたビール片手にサウナへ。のんびり温まりたいところだが明朝が早いのでパスタを作ってさっさと寝る。

2日目ピーク・アタック

南西の空が明るんでくるころ出発。見えている鋭鋒はToulpagorni。


小屋を出てすぐの所にあるKaipakという丘の上から同コンタをトラバースし、Jökelbäckenの沢に入る。沢の下部には右岸側から流れてきたであろうデブリもあり、雪が安定してなかったら中を行くのは怖そう。快適にコンタを稼ぐと、沢のどん詰まりがKebnetjåkka 氷河になっている。情報によると特にクレバスは怖くないようなので、適当に登りやすいところを登ってCo1530の平坦な場所にでる。


ここからはKebnekaiseの東壁、ピーク、周辺の山々が見渡せる。
登攀具を身につけ、Björlinjgs氷河をトラバースし始める。


↑中央付近のちょこっと出ている白いピークが南峰。


モレーンを北側から回り込んだ所から平坦な場所を西南西へ進んだ後、東壁に突き上げる尾根状の氷河を登る。平らな部分は目印もなく、視界がないと変な所に入り込んでしまいそうだ。
この時期クレバスは基本的に雪で埋まっていて安心。


壁の基部でスキーをデポし、アイゼンとピッケルに代える。

まずは150mほど雪壁をトラバース。急ではないものの雪が腐っていていやらしい。なるべく上部岩壁の基部を行く。20mほどルンゼを直上後、バンド状の雪面を30mほどトラバースし、核心となるルンゼの入口へ。ここにボルトが打ってあるのでビレイポイントとする。

ルンゼは150m、はじめは65-70度くらいの斜度の雪壁。ロープを合計3ピッチ出す。ルンゼの左右の岩にある残地ボルトやキャメロットで中間支点を作りながら登る。この時期は一日影の中のおかげか、雪が安定しておりステップが決まりやすい。ところどころ薄い雪の下が氷だったりする場所もあり慎重に登る。最後の7-8mだけ75度くらいで急。


そこをこなしてピークから南に延びる尾根に出ると、
鋭い山々が景色を埋め尽くしているのが目に飛び込んできた。


Yeah!!!


核心を終えた充実感に満たされながら、ピークまでのゆるい尾根をのんびり登る。
ニヤケが止まらない。

ピークに立つと360度の大展望。

天気が良いとスウェーデン全体の9%が見えるらしいが、少し雲海が邪魔しているので5%程だろうか。



標高が一番高い南峰(2104m)自体が氷河でできており、年々溶けているためにそのうち北峰(2097m)の方が高くなるという。出発してからここまで7時間半−予想していたコースタイム通り。名残惜しいが明るいうちにスロープを滑りたいので、程々に堪能してから同じ道を帰り始める。





核心部は確保しながらクライム・ダウンしたり残地ボルトで懸垂下降したり。
スキーのデポ地点に着く頃には空がパステル色に染まってきた。





空にはいつの間にか月や金星、木星、火星が浮かんでいる。

Kebnetjåkka 氷河からJökelbäckenへ続くラインは、深雪パウダーでこそないが、
大展望の中、快適な雪を一気に800m滑り下りるのは爽快。



太股に乳酸がタップリ溜まってきたころ下につく。


Mountain Stationでは無事を祝ってビールを飲みながらサウナに。
サウナの窓からはオーロラも見える。余韻がいつまでも抜けない、充実の一日だった。


3日目:クロカンでKungsledenを散策

Kebnekaiseの南にあるToulpagorniという山の魅力的なラインを滑って降りてこようかか迷うも、
昨日の疲れと充実感で、この日はまったり散歩Dayとする。


↑Peakから右に進んで最初のクーロアールを懸垂下降してから滑る予定…だった。宿題

谷にあるいい岩を見つけては・・・


ボルボルしてみたり・・・


飛んでみたりする。ばびょーん。


Singi方面にSiellavaggeという谷を10kmほどクロカンで行ったところでランチ。天気が良いため重くて冷たい空気が谷の中に下りてきて(気温の逆転現象)、昨日のピークより圧倒的に寒い…。

Mountain Stationに帰り、窓の外を眺めながら、明るいうちからビールやウイスキーを煽る。


夜はペミカンと日本のルーを使ったカレーライス。作りすぎて翌朝も食べることになる。 


Too much is always nice!!

4日目:帰る

この日は山の方はうす曇り。未練なく帰るにはもってこいの天気だ。
酒と食料を消費して著しく軽くなったプルカを引き、19km3時間半でおりた。


帰りにKirunaハンバーガーショップに寄り、腹を満たして家路につく。



OTSUKARE SAMA DESHITA

短いながらも会心の山行をすることができた。

一緒に行ってくれたTyler、ありがとう。

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装備: スキー(山スキー、スプリットボード、クロスカントリースキー)、プルカ()
小さめのキャメロット、ナッツ、アイゼン、ピッケル、ビナシュリ類、ヘルメット、50m×7.5mmザイル、
アイススクリュー×2(氷河用)、酒、その他冬山装備一般

地図: Kebnekaise högfjällskarta fjäll karta (1:20000), BD6 (1:100000)
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Surprise Party

 
金曜日。荷物をいくつか日本に送って、仕事もひと段落したところでみんなでサウナへ。
ビール片手に、あーだこうだと一週間の事を話す。


↑ま、更衣室はこんな感じになっています。
アラサー〜中年男たちのサービスショッツは控えます。

しっかり温まったところで、さーってもうひと仕事するかな…と思っていると、
エリックがちょっと来いという。




とりあえずついて行ってみると…

なんと…


知らないところでFarewell Partyが企画されていました。

Surpriseといっても、大概、なんとなーく気づいてしまうものですが、
今回は忙しくてあまり周りが見えてなかったせいか、

全く気づいていなかったので本気で驚きました。そして、本気でうれしかった。



みんなが作ってきてくれた品々をビュッフェスタイルでいただきながら、
酒を飲んで、色々話す。

日本の歌を教えろということになったので「上を向いてあるこう」をみんなで歌った。

素敵なプレゼントもいただいてしまった。


↑Makoto = 酒。よくわかっていらっしゃる…。

公私ともに充実の2年間を過ごさせてくれたみんなに、
心から、ありがとう。

また、一生の付き合いになるであろう友人たちが増えました。



震災から一年がたつ。

遠くいにいる自分は、
自分の仕事をしっかりやることが大事と思って過ごしてきたけど、
やっぱり直接的に貢献できなかったのは悔しい。

これからの一年で、自分には何が出来るだろうか。

そう思いながらの二年目が始まる。
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夜のアビスコ、アビスコの夜

 
レイナーの家で夕飯を御馳走になった帰り、
ふと外をみると強いオーロラが出ていた。

もう、こんなのも見れないかも知れないなと思い、
カメラを肩にかけ自転車にまたがり、ザクザクの雪にタイヤをとられながら湖へいった。


それほど寒くはない。

案の定、オーロラの強さは弱まってしまっていたけれど、

氷の上から振り返ると、アビスコが月明かりに照らされていた。


目を凝らしながらそこに住んでいたはずなのに、始めて見る景色。

世の中は、きっとそんな景色で溢れているのだろう。

ただ、気づいていないだけで。
Posted by makocchi-1129comments(0)|-

毛皮

 
ある日、自分のFlatのある建物の玄関を開けると、
毛皮が段ボールに針でとめられて乾かしてあった。


僕の住んでいる建物の一階にはサーミ人のおじさんが住んでいて
訊けば仕留めたReindeerの足の部分の毛皮だと言う。
毛皮の質は、足の部分のものが一番いいそうだ。

他の部分のも、向かいの建物の壁に木で張られながら干してあった。

この後にどんな方法でなめしたりするのだろうかと思うけど、
言葉の問題でそこまできく事が出来ない。


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毎週木曜日は、同僚たちとTourist stationにランチを食べに行く。
スウェーデンでは、"木曜日は豆スープとパンケーキの日"と決まっているらしい。




どこの町にいっても、ビュッフェスタイルのランチをやっているレストランがあれば、
豆スープとパンケーキがたべることができるだろう(を食べることになるだろう)。

Tourist Stationから研究所への帰り道、この日は犬ぞり(?)も一緒。
飼い主、手抜きにも程がある…。


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共著の論文が受理されたという嬉しい知らせ。

Novriyanti, E., Watanabe, M , Makoto, K., Takeda, T., Hashidoko, Y., Koike, T. (accepted) Photosynthetic nitrogen and water use efficiency of acacias and eucalypts seedlings as afforestation species. Photosynthetica

アカシア属やユーカリ属は熱帯の造林樹種として有望な樹種。

各属に含まれる数種を対象に養水分の利用特性を調べる事で、
どの様な場所にどの種を植えるのがよさそうか?という疑問についてトライした仕事。

エカさん、お疲れ様でした!

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残すところあと2週間。

サンプルの分析も終わりが見えてきて、
帰国の途中でデータを打ち込めるくらいにはなりそうだ。
このデータで論文を書くのは…夏前頃かな。

先日コメントが返ってきていた論文のRevisionも終わった。

また、色んな人にコメントもらいながらじっくり書いてきた別の論文も何とか投稿。
本気の勝負。さてさて、どうなるか。

手持ちの最後の一本は、著者のみんなで一通り見終わったところ。
来週、机に座って最終詰め。

個人的には手ごたえがあるので、攻めたいところなんだけど、
さてさてみんなはどんな感じに思っているかな…。

帰国までに一度、積雪量調査+ロガー点検のために試験地に行かなきゃならない。
明るい時間が12時間もあるので、全標高まわれるかな…。

ま、こんな時こそ、日ごろの遊び鍛錬の成果がものを言う。はずだ。


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Posted by makocchi-1129comments(2)|-
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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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