氷の日
ここ2-3日、比較的天気のよい日が続いています。
Tornetrask湖を見てみると、大分、凍った部分が広がってきています。
前夜にあったThanks Giving Partyの時にその話題が出て
それじゃあ、ということで、早速今日、明るい間を狙ってスケートに行ってきました。
スケートがしやすいのは、低温で湖が凍って雪が積もってしまうまでのちょっとの間。
でも、小さい湖から順番に凍っていくので、
時期を通じて、場所を変えては、滑ることができます。
はじめは
『は?スケート?どうせ氷ならアイスクライミングだべ?』 と
完全にスケートというものを、なめきっていた私ですが、
どうしてどうして、 これ、めちゃめちゃ面白い。
透明な氷の下には湖底が見えて、まるで浮いてる見たいに感じれます。
何より視界をさえぎる物がないところで、思いっきり、
だだっ広ーい湖の上を滑れるのは、めちゃめちゃ気持ちがよいです。
なめていたのは、きっと日本で一般的な 『スケートリンクをぐるぐる回る行為』 が
あまり好きでなかったからなんでしょう。
Outdoor Skatingは、めちゃんこはまりそうです。
1月になったら、湖全部が凍るので、20km横断して対岸まで行って
一杯やるべさ ということになりました。
太陽が出なくなる時期には、真っ暗になってオーロラを見る位しかやることないだろう、
と思っていましたが、中々どうして、北極圏ならでは、面白いことが沢山あります。
日が昇らない日々の景色も、とてもやさしい感じで気に入っています。
夏に比べて、
そして、同じ冬でも太陽が出る場所に比べて、
世界を構成する色の数は極端に減りました。
でもその分、取り残されたそれぞれの色たちが
空広く引き伸ばされ、
どこをとっても、何色、と表現できないくらい、
ゆっくりと淡いグラデーションを作っています。
夏だったら、どこか小さい一点に集約されてしまいそうな色が
今は、空の5分の一を占めるくらいに広がっている事を考えると、
これまで気づかなかった、季節の移り変わりが持つ大事な一面を、目にしている気がします。
淡く、やさしい色の中が反射した湖面を、のんびり滑るのは気持ちがよく、
ついつい、最近マイブームのドラゴンボールのテーマソングを鼻歌しながら
すーいすい♪
『とーけた氷のなーかにー、恐竜がいたらー
玉乗り仕込ーみたーいねー♪』
『おいで ファンタージー
好きさ ミステリー 君の若さ隠さないで〜
不思議したくて 冒険したくて 誰もみんなウズウズしてる〜♪
大人のフリしてあきらめちゃ 奇跡の謎など 解けないよ〜
もっとワイルドに もっとたくましく生きてごらん〜♪』
そんなの歌っている私ですが、気づけば29歳になりました。
そろそろ大人のフリの1つもしなきゃいけません。
一年前は、博士論文の提出を一週間後位に控えているころで、
まさか自分が一年後、オーロラみちゃったりしながら研究してるとは
これっぽっちも思っていませんでした。
人生って、ほんと何があるか分かりません。
研究も同じですが、
生きるって言うことは、新しいことを発見することと
当たり前のことをなぞらえて、深めて理解することの2つの事からなっているんだなーと思います。
この一年で、沢山のすっげー人、面白い人に会い、
新しい概念を学んで、
今、自分の立ち位置を考え、本当にやるべき研究、仕事の形を考えています。
ここAbiskoでの生活で、
はじめてみる、四季折々の景色は、
それなりに『綺麗な風景』というものには慣れているはずの自分でも
つい独り言をつぶやいてしまうほど圧倒されるものばかりで、
地球ってほんと広いなー、という陳腐に聞こえる言葉の意味を、改めて実感した日々でした。
この村は人口85人ですし、時々ちょっぴり寂しくもなりますが、
攻めの姿勢で、
この貴重な経験を生かして、
今年一年も成長の年にしたいと思います。
『頭カラッポの方がー、ゆーめつめこめーる〜』
↑でもやっぱ、アイスもね。近所の氷。今日は先客がいて断念…。