毎日、大体同じ時間に起きるのに、
体を起こしたときに時に目に入る明かりが、日に日に弱くなっているのがわかる。
それがあまりにはっきりわかるので、今は面白がっているけど
その内、みんなの言うように暗い朝にウツウツになるもんなのだろうか。
そんなある日、突然、はっと目を覚ますとめちゃめちゃ明るくなっていた。
深酒したわけでもないのに、寝過ごしたか?と思ってカーテンをあけると
一面に雪がつもっていた。
ほとんど解けかかっていたところに夜中降って、その雪がわずかな光を反射して明るくなったようだ。
ほっとして、目覚ましがちゃんとセットされていることを確認し二度寝する。
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最近は、毎日、夏に採るだけとって凍らせておいたサンプルの処理。
自分で計画したこととはいえ、木の種類はまだいいけど地衣類やらコケ類の分類はようわからん。
同じ場所に生えている、こういういろんな生活型のやつらを樹木と比較することで、
より樹木が示している挙動の面白さがわかれば…とか何とか思いながら、
ひたすら、ピンセットでよりわける。あと30日間、ひたすらこれの繰り返し。
でも、やっぱり、こもって単純作業はすきだ。
着実にデータがたまっていっているのがわかるし、
自分が『ちょっと落ち着きのある人間』な気がする。
何より、色々、データのことを妄想しながらいるのは楽しい。
作業中に、よく聞く歌はここに来ても相変わらずの"Stage of the ground"。
少しマイブームな懐メロは、日韓ワールドカップのテーマソングだった
Let's get together now (ケミストリー)やAHHHHHH! (久保田としのぶ)。
どちらもかなりマイナーだが、小気味よく気合を入れてくれる。
そんな日々だけど、細かいイベントは色々。
今、ちょうど、Umea大学+αの学生が実習に来ている。
その実習の一環で、ここlaplandの原住民、サーミの人の話を聞くProgramがあったので
ちょっと混ぜてもらっていろんな話を聞いてきた。
彼女の言葉で印象的だった言葉をいくつか
(自分の着ている民族衣装を指差して)
『これはTraditionalだけど、もはやReligiousではないの』
『今、サーミとして子供を育てるのは大変。だって、周りはスウェーデン語だらけよ。
子供たちには自由な選択権がある、サーミであるかスウェーデン人として生きるか。
どっちになって欲しいという希望は無いわ。』
『私たちの世代は、子供たちがサーミであることを恥ずかしく思うのではなく、
サーミでありたいと思えるように、
自分たちの文化を誇りをもって表現できる媒体を持つべきだと思っているの』
今回はお茶を飲みながらのパワーポイントのスライドショーが主だったけど、
仲良くなったので、また遊びに行って、
今度は焚き火を囲んでお酒をのみつつ聞きたいな、と思った。
Reindeerの耳の切り方。この切り込みの種類で、Rein deerがどちら様のものなのか識別する。
一冊の電話帳みたいになっている。
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あちこちの国からきている学生のグループたちしかり、Abiskoでのボスであるレイナーしかり、
色々、ご飯に誘ってくれる。
先日は、昼ごはんにレイナーがUmeaの近くで採ってきたというキノコでスープを作ってくれた。
美味。デザートのパンケーキまで。
ここでもいつの間にか『食いしん坊キャラ』が定着しつつの顎は
人一倍、食べさせてもらった(腹がやばい。)
ふとお腹を省みる。もとい、引っぱる。
ふーむ、まずまずのできだな。冬支度には、十分だ。
が、それじゃ日本からゴアテックスのヤッケの活躍の場が無くなる。
というわけで、今日はサンプルの仕分けが一段落した後、研究所内にあるジムに行ってきた。
一週間に2日くらいは、きたいと思うのだがさてさてどうなることやら。
その後は、これまた研究所内にあるサウナであったまって家にかえる。
この辺がタダで利用できるのはいい。
今日はしょうが焼き定食。1週間のうち5日は米を食っている。
リゾット用のイタリア米が1kg 300円くらいでお手軽に手に入る上、なかなか美味い。
さてさて、そんな冬の始まり。そろそろ小さい湖、池から凍り始めて
スケートの時期(らしい)。