雨から雪

 


11月も中旬というのに、
先週までは季節はずれの雨が降っていた。

なんだか雪になって落ちてくるはずだった水が、

気づいたら水のまま地面に到着してしまってぼーっとしているように感じる。

夏に降る雨のように、空気の質感をじめーっと変えることも無く、
つまり、雨に力が無いのだ。

でも、今週になって、ようやく雪がぱらぱらし始めた。

秋に地面に落ちてから、長い間野ざらしにあって日に日に、汚れていっていた落ち葉たちが
ようやく雪の下で休めるので、ほっとしているようにみえる。

上着も一段、暖かいものにしよう。

そういえば、先日聞いた話で、大好きな作家である池澤夏樹が、実は今、札幌に住んでいるそう。

昔、彼の話を帯広で聞いた際、

『自分は帰りそびれた旅人』で、

『ここではないどこか』、『どこでもないここ』を探していると言っていた。
彼は国内外のあちこちに、よく居を移しながら作品を発表している。

そのときも、沖縄から、フランスのフォンテヌブローに引っ越したところだった。

沖縄にいたときの構想をもとに
つい最近、『カデナ』という一見、『ガラナ』と間違えちゃいそうな新刊がでていた。

そのうち、身近な地名のたくさん入った、この札幌が舞台になる話もできるのだろうか。
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天塩の時間


昨日は、札幌のコンベンションセンターで森林学会の支部会に参加。

北の森で山火事が起こったときにできる炭が、

そのあとに回復してくる植生に与える影響を紹介。

『炭って結構大事なんですね』という言葉を、

発表後に聞いてくださっていた方からきけて、一番伝えたいことは伝わったかな、と思う。

でも、もっともっと、この現象を通じてみえる
『おもしろい何か』はあるはずだし、それをまず、
炭とどっぷり付き合ってきた自分が、解釈してあげなきゃだ。

炭のおもしろさを、世界の誰より考えて
引き出せるようになって、
それを伝えれるようにならなければだと思う。

炭が伝えてくれる、炭以上のこと

発表自体も、時と場合によるけど、型にはまったものではなく、
もっと面白い、一皮向けた、印象に残るような発表がしたいと思う。

年度末の学会では、その辺を意識して、少し攻撃的にいってみようか。

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今日からは天塩、三年間の最後の調査。

天気のよい中、日本海沿いの道を行く。

いつもは、増毛のあたりまで来ると、札幌からの電波が届かなくなり
FM電波のある局を探しても
数字は800代後半まで行ったあとに一回転してNHK-FMにしかとまらないのだけど

何と、今回は800代の後半で留萌発のFM局もヒット。
最近、新しいCommunty-FMが立ち上がったのかな?

これまで能やら歌謡曲しかきけなくなって眠くなりがちなゾーンが少なくなった。
でも留萌を過ぎて小平を越えると、やっぱりNHK-FMだけなんだけど。

研究林について今日はロガーの回収など単純作業を。

もう調査地には雪が積もり始めていて、ぎりぎりセーフといった感じだ。

作業を終えて、いつものように宿舎で飯を作って、すこしぼけーっとする。

ここに流れている時間はゆっくりで、

もう一度、最近書いた論文を読み直したり
読みたくてもなかなか手をつけれていなかった文献をじっくり読む。

なんだか最近の札幌での生活は

『忙しい』という言葉に踊らされているような気がする。

いや、甘えながら『踊っている』気がする。
忙しそうにしていれば、自分も回りもごまかせる。

夏のフィールドシーズンを終えてからの2ヶ月半ほど
朝起きて、学校行って、いくつもぶら下がっている目の前やるべきことのうち
その日の気分にあわせてこなして
帰って寝て、というリズムに、ただ身をゆだねていただけの日々だたと思う。

一日一日、図を作ったり、論文を書いたり、構想を練ったものをまとめたり、
その日やったことを形に残すようにはしているので
仕事をこなしている感はある。

なので一応の達成感はあるのだけれど、
一応の、なのだ。

きっと自分の思考を働かせて
自分の軌道を見定めて一日一日を生きていないから
なんとなくの作業で
時間が過ぎて行ってしまっているから

なのだろう。

天塩にくると、ふっとそんないつもの時間を
客観的に考え直す時間になる。

ただ博士論文を書いている、

という行為をしている自分に甘えず、

今、自分がやるべきこと、考えるべきことに、
広い視野と、
柔軟な思考でしっかりと向き合うこと。

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少しずつ読みすすめ、先日、読み終わった本がある。

白石一文:『私という運命について』

紀伊国屋でみつけてタイトルでピンと来て買ったので
以前に読んだ『一瞬の光』という本と同じ人が書いたということは
途中で、末尾にかいてある『白石一文の他の代表的作品』という欄をみて気づいた。

とても印象に残るものだった。

本についての感想とかを書くのは苦手。

本なんて、いろんな感情を持ちながら読むので、
僕の場合、まとまっていえることは、大概、

『いい本だった』か『あまり面白くなかった』という程度。

なので読みながら、ページの端をおってしるしをつけていた文章を抜粋。
そうだと思うものも、それは違うんじゃないかと思うものも。

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『時間というのは、小刻みに細分化されればされるほど、
僕たちの掌から砂のようにこぼれ落ちていくものなんじゃないかな。
ゆったりと流れる時間だけが、きっと本物の時間なんだと思うよ』


『運命というのは、たとえ瞬時に察知したとしても受け入れるだけでは足りず、
めぐり合ったそれを我が手に掴み取り、
必死の思いで守り通してこそ初めて自らのものとなるのだ』


『人と人とのあいだには、きっと取り返しのつかないことばかり起きるけれど、
それを取り返そうとするのは無理なのだから、
取りかえそうなんてしない方がいいんだと私は思います。

大切なのは、その悲しい出来事を乗り越えて、そんな出来事なんかより、
もっともっと大きな運命みたいなものを受け入れることなんだと思います』


『僕はきみのために辛い思いをしたことなど一度もなかった。
きみとのことにしても、きみが僕を苦しめたのではなく、僕自身が僕を苦しめたにすぎません』


『この社会でのいかなる成功も夢の現実も、
それだけでは個としての自身の精神的な成長には結びつかない』


いつか、どこかへ向かう飛行機の中ででも
読み返してみたい。

そのとき僕は、しるしのついたページを見ながら

何を思うことができるのだろうか。

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インドネシ顎

 
以前紹介したように、今、僕のいる部屋には、インドネシアの方が留学しにきています。

で、週末に、その方の誕生日会が開かれました。
開かれたのは、ワルンジャワという、ひらがなにしても日本語として成り立ちそうな名前のレストラン。

『このココナッツってどうやってたべるのー?』

『わるんじゃわよっ!』 ・・・・



でですね、おいしいインドネシア料理(酒なし)を食べてきました。

お気に入ったのは、
ココナッツミルクのきいていないカレーとタマリンドジュース。


タマリンドジュースは飲みすぎると、
おなかを下すそうで、ダイエットに最適とのことでした。

まさに、このメタボな体にぴったり。

心と体の養分循環を、タマリンドエキスで促進します。


で、少しずつインドネシア語を覚えはじめました。

基本、最後が 〜ア語で終わっている言語は覚えないと、

という使命感に駆られます。


今のところは

・私はあなたを愛しています
・好きです
・こんにちわ
・こんばんわ
・おいしい
・食事
・いただきます
・おめでとう
・毎日
・散歩
・いつか
・会う

という単語を覚えました。

後は時間と場所を約束できれば幸せなインドネシアライフがすごせそうです。

少しずつ語彙を増やして、いつかインドネシアにも行って見たいものです。
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迷ったら攻めろ


札幌の町に初雪も降って、
 いろいろと人生の選択肢が求められるような今日この頃。


「迷ったら、攻めろだ」


と、ずいぶんやんちゃしていた学部生のころみたいに自分に言い聞かせる日々。


自分の信じた道、という、
なかなかシンプルでいて、

年をとればとるほどその難しさを痛感する道を、


フットワークを軽く、でも慎重に、


自分らしく、でもしっかりと人の話に耳を傾けて、


すがすがしい生き方をしよう





写真は、少し懐かしい、マダガスカルにいったときのもの。

あの時に初めて、具体的に描いた夢を、今も見続けていれる。



昔の自分だったらフットワークと、気合と、自分らしさという軸だけで生きていた。


あれから、本当に沢山の人にあって、自分も変われた。


そんな、変われた自分を信じて。


そもそも、失って困るものなんて

あるように思っているだけで、実はそれほど無いわけで
(家族くらい)


天下を枕の野垂れ死に


さてさて、気合入れていきますか、と、
結局そこに落ち着く、秋の終わりのよしなでした。

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友人の友人の友人は自分

 
昨日は、ひょんなことから友人の友人と会ったのだが、
話してみると、その方の友人の友人は自分だった。

いやー、世の中って狭いね。ほんと悪いことできません(笑)

さて、お昼にコンビニにいってみると見慣れない新サイダー

国産さくらんぼサイダー(10月20日発売)



これは今まで出てきたPREMIUMシリーズの中でも
国産富士りんご、そして温州みかんに匹敵するできばえ。


数量限定なんぞといわず、
レギュラーメンバーに加えてほしい候。


また、サイダーの魅力にはまっていく…

皆様、ぜひ手にとって見てください。
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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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