雨から雪
11月も中旬というのに、
先週までは季節はずれの雨が降っていた。
なんだか雪になって落ちてくるはずだった水が、
気づいたら水のまま地面に到着してしまってぼーっとしているように感じる。
夏に降る雨のように、空気の質感をじめーっと変えることも無く、
つまり、雨に力が無いのだ。
でも、今週になって、ようやく雪がぱらぱらし始めた。
秋に地面に落ちてから、長い間野ざらしにあって日に日に、汚れていっていた落ち葉たちが
ようやく雪の下で休めるので、ほっとしているようにみえる。
上着も一段、暖かいものにしよう。
そういえば、先日聞いた話で、大好きな作家である池澤夏樹が、実は今、札幌に住んでいるそう。
昔、彼の話を帯広で聞いた際、
『自分は帰りそびれた旅人』で、
『ここではないどこか』、『どこでもないここ』を探していると言っていた。
彼は国内外のあちこちに、よく居を移しながら作品を発表している。
そのときも、沖縄から、フランスのフォンテヌブローに引っ越したところだった。
沖縄にいたときの構想をもとに
つい最近、『カデナ』という一見、『ガラナ』と間違えちゃいそうな新刊がでていた。
そのうち、身近な地名のたくさん入った、この札幌が舞台になる話もできるのだろうか。