2009.09.29 Tuesday 22:54
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秋の沢
大雪山で初雪や紅葉の見ごろがテレビで報道されだしてから2週間
札幌市内の木々にも、赤や黄色に染まるのが目立つようになってきた。
快晴の日も、風は乾いて、そして冷たい。
そんな中、先日、南日高の楽古岳へ沢収めに行ってきた。
収め、といっても、今年は結局2本、しかいけなかったけど。
朝、静内から浦河へぬける海岸線は気持ちいい。
季節を通じて、もう何度通っただろうか。
池澤夏樹の物語を思い出しながら、
海岸線にへばりくっついた漁師町とその奥の海を眺める。
前日の寒気の影響が残っているのか、
上空は青空なのに、薄い雲のように下のほうには霧がたちこめていて
なんだか幻想的だ。
こんなとき、山に登れば雲海だろう。
登った沢はコイボクシュメナシュンベツ沢
という南日高の入門的な沢。
下流部は、小さな滝やゴルジュがいくつか出てくるが
まったく難しいところはない。
秋のせいで黄色くなりかけた森の中へ、
水線通しに分け入っていくのはなんとも気持ちのいいもんだ。
コンタ770二股からがこの沢の核心。
過去の記録では200-300m、ずっと滝が連続すると書かれているが
全体的に斜度はきつくなく、
ところどころテラスがあるので休め、あまり難しくはない。
そのため、ぐんぐん標高はあがり、
登れば登るほど、背中側の展望が開けてくる。
しかも最後の最後まで滝が続くので
なかなか飽きさせない。
青い空に向かってただのぼりつづける
稜線に出ると、南は海まで
北はカムエクまでの大展望。
山脈が南北、東西にうごめくようにあふれていて
しかも、急峻だからやっぱり迫力がある。
やっぱ日高だね〜っていう単語を
滝を登っては振り返り、登っては振り返り
何度口にしただろうか。
ピークでは本日のスペシャル企画として
一品持ち寄りセレブランチ!
各自、野菜、チーズ、生ハム、パンなど
それぞれ担当のものを持ち寄ってはさんで食べる。
美味。
たまにはこーゆー、楽しみ方もいいかも。
食べつつ山脈を眺める。
いったい今まで何回、この山脈の中にはいって
あと何回、また、この景色がみえるのだろう。
ゆーっくりピークを堪能して、そろそろ日が傾き始めてきたころ
さすがに帰らねばということで名残惜しいピークを後にする。
また来よう、といって主稜線から降りた。
後はだるい夏道をひたすら下るのみ。さくさく下って
さてどこの温泉に入ろうか。
と
おもつていたら・・・。
オモツテイタラ・・・!
『きゅお"ーん!!!!』
???
『きゃお"ーん!!!!』
??????????????????????
ええ、私たちの降りていく尾根をはさんで
右と左で、
熊さんがー
クマサンガー
マンガの恐竜みたいな声してー
ホエテルー!!!!!!!!
ぎゃー。
やばいやばい
『おりる?てゆーかおりるしかないよね?』
『遺書カイテキテナイー』
『いやー、星野道夫がいっていた、『人を殺せる存在の熊が森にいることはとても大事なことに思う』なんて、実際思えないしー!!』
などと思い思いに思っていると(後日談)
『きゃお"ーん!!!!』
マタホエテルー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
しかもさっきより近くねー?????????
やべ、こそこそ逃げなきゃー。
警戒のための笛も、なるわなるわ。
もう、ガクガクブルブルになっているヒメッチなんぞ
ちゃんと息継ぎできてる?
っていうくらいマジな顔で、ピーひゃらピーひゃら
『がさっがさっ』
!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ソコニモイルノーーーーー!!!?
もうやめてー。そこ通らないとカエレマセーン。
さて、どうしたもんか。
とりあえず、落ち着いてみる。
で、おもむろに、ザックをあけてみる。
沢のぼり用に持っていたヘルメットをかぶりなおしてみる。
あごの防御力は2アップした。
で、沢のぼり用の鉄のハンマーを持ってみる。
あごの攻撃力は5アップした。
で
だましだまし、
進んでみる・・・
『眉間が確か弱点だって、こないだ読んだ”流れ星銀”に書いてあったゾ』
『自分を食べようと口をあけた瞬間に口の中に攻撃するのがいいって
なんか、そういうわざあった気がする・・・こないだ赤カブトに、じっちゃんが、村田銃で・・・
』
などと、漫画頼りの作戦をおおまじで考えながら進むこと15分・・・
小屋がが見えたときは、
もう感動でした。
その後は静内温泉に入って、のんびり帰ったとさ。
とても一日で起こったこととは思えない、
濃い一日でした。
ちゃんちゃん。
Posted by makocchi-1129|comments(8)|-