秋の沢


大雪山で初雪や紅葉の見ごろがテレビで報道されだしてから2週間

札幌市内の木々にも、赤や黄色に染まるのが目立つようになってきた。
快晴の日も、風は乾いて、そして冷たい。

そんな中、先日、南日高の楽古岳へ沢収めに行ってきた。
収め、といっても、今年は結局2本、しかいけなかったけど。

朝、静内から浦河へぬける海岸線は気持ちいい。
季節を通じて、もう何度通っただろうか。

池澤夏樹の物語を思い出しながら、
海岸線にへばりくっついた漁師町とその奥の海を眺める。

前日の寒気の影響が残っているのか、
上空は青空なのに、薄い雲のように下のほうには霧がたちこめていて
なんだか幻想的だ。

こんなとき、山に登れば雲海だろう。

登った沢はコイボクシュメナシュンベツ沢
という南日高の入門的な沢。



下流部は、小さな滝やゴルジュがいくつか出てくるが
まったく難しいところはない。

秋のせいで黄色くなりかけた森の中へ、
水線通しに分け入っていくのはなんとも気持ちのいいもんだ。



コンタ770二股からがこの沢の核心。

過去の記録では200-300m、ずっと滝が連続すると書かれているが
全体的に斜度はきつくなく、
ところどころテラスがあるので休め、あまり難しくはない。



そのため、ぐんぐん標高はあがり、
登れば登るほど、背中側の展望が開けてくる。
しかも最後の最後まで滝が続くので
なかなか飽きさせない。



青い空に向かってただのぼりつづける
稜線に出ると、南は海まで
北はカムエクまでの大展望。

山脈が南北、東西にうごめくようにあふれていて
しかも、急峻だからやっぱり迫力がある。

やっぱ日高だね〜っていう単語を
滝を登っては振り返り、登っては振り返り
何度口にしただろうか。

ピークでは本日のスペシャル企画として
一品持ち寄りセレブランチ!

各自、野菜、チーズ、生ハム、パンなど
それぞれ担当のものを持ち寄ってはさんで食べる。

美味。
たまにはこーゆー、楽しみ方もいいかも。

食べつつ山脈を眺める。
いったい今まで何回、この山脈の中にはいって

あと何回、また、この景色がみえるのだろう。



ゆーっくりピークを堪能して、そろそろ日が傾き始めてきたころ
さすがに帰らねばということで名残惜しいピークを後にする。

また来よう、といって主稜線から降りた。

後はだるい夏道をひたすら下るのみ。さくさく下って
さてどこの温泉に入ろうか。















おもつていたら・・・。




オモツテイタラ・・・!





『きゅお"ーん!!!!』



???



『きゃお"ーん!!!!』



??????????????????????



ええ、私たちの降りていく尾根をはさんで



右と左で、


熊さんがー


クマサンガー


マンガの恐竜みたいな声してー



ホエテルー!!!!!!!!




ぎゃー。


やばいやばい


『おりる?てゆーかおりるしかないよね?』

『遺書カイテキテナイー』

『いやー、星野道夫がいっていた、『人を殺せる存在の熊が森にいることはとても大事なことに思う』なんて、実際思えないしー!!』

などと思い思いに思っていると(後日談)





『きゃお"ーん!!!!』


マタホエテルー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!



しかもさっきより近くねー?????????

やべ、こそこそ逃げなきゃー。
警戒のための笛も、なるわなるわ。

もう、ガクガクブルブルになっているヒメッチなんぞ
ちゃんと息継ぎできてる?
っていうくらいマジな顔で、ピーひゃらピーひゃら




『がさっがさっ』



!!!!!!!!!!!!!!!!!!


ソコニモイルノーーーーー!!!?



もうやめてー。そこ通らないとカエレマセーン。


さて、どうしたもんか。

とりあえず、落ち着いてみる。

で、おもむろに、ザックをあけてみる。


沢のぼり用に持っていたヘルメットをかぶりなおしてみる。
あごの防御力は2アップした。


で、沢のぼり用の鉄のハンマーを持ってみる。
あごの攻撃力は5アップした。





だましだまし、

進んでみる・・・


『眉間が確か弱点だって、こないだ読んだ”流れ星銀”に書いてあったゾ』



『自分を食べようと口をあけた瞬間に口の中に攻撃するのがいいって
なんか、そういうわざあった気がする・・・こないだ赤カブトに、じっちゃんが、村田銃で・・・


などと、漫画頼りの作戦をおおまじで考えながら進むこと15分・・・










小屋がが見えたときは、

もう感動でした。

その後は静内温泉に入って、のんびり帰ったとさ。

とても一日で起こったこととは思えない、
濃い一日でした。

ちゃんちゃん。 
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Superfly

 
昨日の情熱来陸は『Superfly』。

『自分は、今、戦っているんだ』

という意識を持つことの大切さを
改めて、思わせてくれた。

いろいろわかった風なことをいって、
達観したようなことを考えたりする前に

戦っているという意識を、

もっと深くもとう。

もっとつよく持とう。

戦う相手は、

自然の中で起こっていること、

そして、自分だ。
Posted by makocchi-1129comments(6)|-

できる男への道…

 
最近はあれです。博士論文ってやつです。

で、日本語を書きつつ、英語をよんだりずっとしたりしていると
今まで使っていた小さいデスクトップの狭さが気になってきます。

できれば同時に二つの文章を書いたり読んだりしたい!


で、今日、とうとう、ずっと憧れていた禁断の技をためしてみました。

Dual スクリーン。

要は、2つのスクリーンをつなげるやつです。

学部の三年生の時に、パソコンにつよい先輩がやっているのをみてから
ずっと気になっていたわざです。

時々やっているひとを見ると
『うおー、かっこいいー』

と思っていましたが、どうやったらいいのかもわからず、
しかも、僕のきっちゃない机の上はそんなもう一個の画面を置くスペースがあるわけもなく
本日を迎えました。

でも、ただのあこがれじゃなくって、本格的に必要になってきたので
頭のいい後輩におそわって、
やってみました。
禁断の技はコードつなげるだけでした。
机の荷物も片しました(隣の机にどかしました)

いやー、実に使いやすい、使いやすい。
これまでよりすいすい進みます。

左のスクりーん中でずーっとアイコンを右の方へひっぱっていくと、
ぱっときえて、右のすくりーんに現れます。

二つの間を瞬間移動する瞬間とか
感動です。

『なんだか俺、できる男みたいじゃねーか?』と自分で自分を褒めています。

当たり前ですが、2つの間をちょっと遠くしても瞬間移動してくれます。

で、ちょっと、調子にのって、壁紙とかもいじっちゃおー

なにと何を組み合わせようかなー。
一つは、山火事跡地でー、
もう一個はー

とおもって、いろいろいじってっましたー。

で、こーんな感じ!



うーん、2つのデスクトップは、どうも一つの背景しか指定できないようです。

うーん、2人の加藤ローサはやばいです…

集中できません。そんな連休の中日でした。
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ボブ・サムのお話

 
昨日の夕方、北大にクリンキッドインディアンのボブサムさんが来て
クリンキッドに伝わる神話を聞く会があった。

ボブさんのことは、星野道夫の本や、ガイアシンフォニーという映画などでしっていた。
そんな人が北大に来て生で話を聞けるとということで、とっても楽しみだった。

神話の内容は、
なぜ、蚊がこの世に生まれた時のことにまつわる物語なのだが、
そこに登場する人物の気持ちを通じて
人が、考えなければいけないことを、伝えてくれる

物語のなかでは、
悲しいときや、辛いときに、人が強くあるために必要なことが
話されていた気がする

当日は、ボブさんのほかにもアイヌの方がトンコリという弦楽器を演奏してくれたり
ユカラとよばれるアイヌに伝わる神話・民謡を聞かせてくれたりと
とっても浸れた時間だった。
Posted by makocchi-1129comments(8)|-

帰りたーくなーったよー?

 
どうも、いきものがかりの『帰りたくなったよー♪』
を聞いたりしながらD論を書いているあごです。

いや別に、ホームシックになったわけではなく、
ちょっとショッキングなニュースを耳にしてしまったので、
つい、歌ってみたくなりました。

ブランド総合研究所は10日、国内1,000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなどを調査した「地域ブランド調査2009」の結果を公表した。調査結果によると、全国で最も魅力的な都道府県は北海道、最下位は茨城県という結果になった。


ヾ(~∇~;) コレコレ

茨城から北海道へ移り住んだひと
もしくはその逆の人は非常ーに複雑な心境だと思われます。

たしかに、友達に茨城ってなにがある?

と言われても『なんもないよー』と反射的に言ってしまうしなー。

つくばがあって
水戸黄門がいて
あんこうがうまいっていうくらいでしょうか。

そういえば茨城に旅行に行くっていう人は聞かないなー。
一応、海も山もあるんですがね。

それでも僕は茨城県民であることを誇りにしております。

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コーヒーの木

 
『先着20名にコーヒーの苗あげます!』

というMailが昨日農学部に流れた。

で、もらってきた、コーヒーの木。

こーひー

樹高:11.9cm
体重:秘密
葉の枚数:14枚 

5年もすれば豆が取れて完全自家製のコーヒーが入れられるらしい。

炭、混ぜてみようかな〜とか、
高CO2かけてみようかなーとか、余計な実験欲はださずにのんびり育てることにしよう。

名前は考え中。

アラビ子?
Posted by makocchi-1129comments(4)|-

かがくのとも


福音館書店から毎月出されているこどもむけの科学絵本

『かがくのとも』の2009年10月号(9月1日発売)のとじ込み付録の『おとなだってかがくのとも』
という欄に、小林の書いた文章が載りました。

かがく

タイトルは『山火事と炭と私たちの生活』というものです。

短い文章ですが、今、大学で研究している森と山火事と炭の関係について、
一般の方にもなるべくわかりやすく、
また、炭っておもしろい!って思っていただけるよう心がけて書いてみました。

ちいさなお子さんがいる方も
そうでない方も、
ぜひ読んでいただき感想などお聞かせいただけば嬉しいです。

同業者の方(研究者)むけではなく一般の方むけに文章を書くのは難しかったですが
広く一般の方向けに研究したことを伝えることは、研究という行為を人のために役立てる
アウトリーチとして絶対に必要なことなわけで、とてもいい勉強になりました。

わかりずらい文章を何度も直していただいた福音館書店編集部の八巻さんに
この場を借りて御礼申し上げます。

北海道は東京よりも発売が2日遅いので今朝、紀伊国屋にいって、
棚にあるのをみてにんまり。

ついでに本屋さんを色々みていると星野道夫の『CARIBOカリブー』という新しい写真集が出ていた。

一冊まるまるカリブー。なんだか疲れがたまっているけど、ほっと一息させてくれる時間をくれる。

お勧めは、カリブーがラッセルした跡が
雪解け時期のアラスカの大地にどこまでも続いている写真。

菅野温泉の露天風呂から冬にみえる
わっせ、わっせ、と胸まで雪に埋まりながら進んでいる鹿くんたちを思い出す。
Posted by makocchi-1129comments(6)|-

シカシナイ山の沢


『やっべー、このままじゃ夏が終わっちゃう〜(@_@;)』

ということで、こないだ、今期、最初で最後の沢登りへ行ってきた。

実は怒涛の出張ラッシュが始まる前から練っていた山行で、

当初は、もう少し時間をとって、中部日高にある
コイボクの1823峰北西面直登沢へ行く予定だったのだが
色々と事情があって(増水、仕事、試験など)、

急きょ、すぐわきにあるシカシナイ山というマイナーな山の沢へいってきた。
登ったのは地図上ではイワナの沢と書かれたシカシナイ山の南面直登沢の右股。



一緒にいったのは山岳部のバイエルンくんと山スキー部OGのあすきちゃんという
山馬鹿なお2人。

もう知り合ってだいぶ経つのだけれど、遊ぶのは飲み会ばっかで
一緒に山に行くのは初めて。



中流部の滝





工程は一日と短かく、沢相もそれほど綺麗というわけではなかったけど、

沢マニアなバイエルンくん曰く
『過去に誰も登ったことない沢なのでは』

ということでいつどんなにでかい滝が出てくるのかわからないまま登るのは
わくわくドキドキで、

実際に核心部は、簡単ながらも10−15m級の滝が10本くらい
次々にでてきてなかなかVolumeがあったし、

なにより久しぶりの日高の沢、山脈は

やっぱり日高で、

『やっぱ、日高はいいわー』と何度もつい口をついて出てしまうのでした。

いつかまたいけたらいーなー。

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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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