朱鞠内のえんじん橋の近くのP帯に車を停め、橋を渡った先から尾根に取りつく。尾根は微地形が少し複雑でルートどりに迷うが、広いしそれほど木も濃くないので快適に登っていける。前衛峰とも言えるポコまで上がると、バックに朱鞠内の集落や真っ白に凍った朱鞠内湖が見えてきた。
前衛峰からは尾根上をほぼ水平移動してピークまで。ピーク近くからは遠く和寒方面が見えるが、木々がうるさくそれほど展望はない。それでも快晴の空の下、この日の目的であるカップラーメンを気持ちよく食べる。
復路は水平移動部分はシールつけて前衛峰まで戻り、そこでシールを外して一気に下りる。短い標高差の割には気持ちよく滑れた。しかし如何せんシーズン初め、滑り方はめちゃめちゃで何も考えずとりあえず下りたというところだ。車で片付けをしていると、ちょうど朱鞠内湖畔で撮影をしていたという職場の知人やお隣さんのスキーヤーが車で通りかかる。雑誌の撮影をしていたらしい。世の中は狭い。凍りはじめの天塩川を眺めたりしながら、夕方はピヤシリスキー場50周年イベントに参加し、名寄のスキー文化に想いを馳せる。ここ名寄でも、山を中心に新しい人の繋がりも出来始めた。
コースタイム: 上り: 50分ー下り20分
メンバー: 原さん
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龍洞の岩場がある台湾北東部は、一般的には年末年始は天候不順らしい...。航空券を予約した後にその事実を知り、まともに岩を登れるのか不安なまま新千歳空港を飛び立ったが、蓋を開けてみれば想定していた以上のルートを登り倒すことができた。
今回登ったのは子連れでアクセスしやすい校門口 (School Gate)、後門 (Back Door)、黄金谷 (Golden Valley)の3つのエリア。どのエリアも5.4から5.13のグレードまで、スポート、トラッドルート共に揃っており、幼児から大人まで、それぞれが自分に合ったクライミングを楽しむことができた。海外の岩場には簡単でも魅力的なルートが揃っていることが多いのに、国内で稀なのはなぜだろう...。
Ryo & Makoto@後門
岩の取り付きはどのエリアも広くてまあまあ平らで、子連れには安心。子供たちは巨岩の上を飛び回ってちょっぴりエキサイティングな鬼ごっこをしたり、潮溜で謎の生き物を観察したり、海岸ゴミの山からガラクタや椰子の実を見つけたりして遊んでいた。
後門へのアプローチ. 比較的アクセスしやすいとはいえ、転んだら滑落するポイントあり.
縄文人に負けじと石でヤシの実を割る.
私は5.11台のスポートルートや、5.10台以下のトラッドルートを色々登った。嬉しかったのは、6年前は登れなかった5.11台のルートを初見でいくつも登れたこと。特に、後門の誰騙了誰?(Who Fooled Who? 5.11a)や大家的福利 (Everybody's Welfare 5.11a)、黄金谷の現實的制約 (Conditional Reality 5.11b - これは宿題)などのルートはテクニカルで面白かった。また、黄金谷の黃金浴(Golden Shower 5.9)や我愛台灣 (I Love Taiwan 5.8)など、簡単でも長かったりバエるトラッドルートが多く、晴れた日に東シナ海からの照り返しを浴びて登っていると「気持ちー!」と声が漏れてTシャツを脱ぎたくなる。
Makoto@黄金谷: 現實的制約 (Conditional Reality 5.11b)
岩は概ねフリクションが良い砂岩で、スポートルートは登りやすく感じた。ただ、クラックはガチャガチャしていてプロテクション設置に気を使うルートが多かった。そんな中でも、千穂はほぼ初めてとなるトラッドルートのリードをいくつもこなしていた。カムの扱いにも慣れてきたようで、トラッドクライミングの充実感にハマってきたようだ(しめしめ)。稜は岩を登るよりはおやつを食べて取り付きで子供同士で遊んでいる方が面白そう(笑)。それでも毎日トップロープで粘りのクライミングをしては着実に上達していた。いくつかの5.6のルートでトップアウト! ナイスクライミング。
Chiho@校門口: 迎風面右 (Seaface Right 5.7)
Chiho@黄金谷. 金光 (Nugget 5.7)
真ん中上部に小さく人見えます?
Ryo@校門口: 小小洞洞 (Small Baby Crack 5.4)
Ryo@黄金谷: 大厨 (Smutje 5.6)
Aski@黄金谷: Yosemite Crack (5.10a)
Daiki@@ 校門口: 小洞洞 (Baby Crack 5.6)
Kattsun@後門: 龍柱 (Dragon Pole 5.9)
Koki@後門: 散歩路線 (Scramble 5.4)
一同、2年後のヨセミテに向けていい練習になった。
レスト日には、千と千尋の神隠しの舞台という噂もある九份、220kgの金の延棒が触れる黄金館、入った後に体がヒリヒリする北投温泉にいったり、羅東の夜市や道すがらの食堂でカロリーを気にせず食い倒れていた。"食事は俄然しょっぱいのが好き派"の私には珍しく、今回の旅で食べた中で1番気に入ったのは"杏仁豆腐のタピオカ入り杏仁茶がけ"。次点は酸辣湯に水餃子が入ったもの、そして第3位は蒸し魚に味噌ダレをかけたもの。どの食事も油が少ないためか腹にもたれないので、どんどん食べれてしまうのだからミステリー。これはドスコイ系クライマーへの罠なのか。また、基隆の街近くにある仙洞巌では、大人がやっと通れるくらいの洞窟や中のお寺を無料で入ることができ、子どもたちは探検気分を満喫。
杏仁豆腐のタピオカ入り杏仁茶がけ @ 九份のGolden cafe
この酸辣湯の奥底に水餃子が隠されているというミラクル.
仙洞巌。無駄に体がでかい私はハイハイしないと子供たちについていけない...。
アダン、クワズイモ、バナナやヘゴなど、どこか屋久島を思い出させる植物に南国に来たことを実感しながら、登り倒れ&食い倒れツアーは怪我なく無事に終わりました(実際には深刻なトラブルがあったけど...)。ちなみに旅のテーマソングはレキシの「僕の印籠知りませんか?」理由はヒ・ミ・ツ。
パイナップル風の果実がつくアダン
なお、今回は子連れということで一般的ではない方法で龍洞ツアーをしたので現地の情報を少し紹介.
【移動 - 宿泊】
移動手段は桃園空港で借りたレンタカー、宿泊先は龍洞の南の福隆という街にある龍門露営度假基地というキャンプ場にした。岩場へは15分ほどのドライブでアクセス可能。大人だけで岩場へ通い、登り倒す目的であれば台北や基隆のホテルや龍洞のbivyに滞在してバスや徒歩での移動が定番だが、子連れで行くと岩場だけでは飽きてしまう?ので、今回のレンタカー+キャンプ場は比較的安上がり&便利な選択だったと思う。ただし観光地や都会では、車の駐車スペース探しに苦労した。龍門露営度假基地はシャワーやトイレも綺麗で充電もでき、熱湯も飲用水もを無料で手に入る快適な場所だった。我々は何もない場所にテントを張る一番安いサイトに泊まったが (7泊で1.6万円)、割高のコテージや屋根付きのテントスペースなどより快適なエリアもある。なお、台湾での車の運転には国際免許の取得は必要なく、日本国内の免許を中国語訳したものをJAFに発行してもらえば運転可能(ネット申請可)。
キャンプ場の受付. カップラーメンやジュースなどちょっとした食品も買える.
ドライヤーも備え付けられているシャワー棟. 充電もできる.
臺北101を背景にフォルクスワーゲンを運転するかっつん. 連日の運転ありがとう.
【買い物】
台湾には小さな町でも至る所にセブンイレブンやファミマなど日本のコンビニがあり、最寄りの澳底 (Aodi)にもあった。ただコンビニは割高な印象で、食料は主に全聯福利中心Pxmartという澳底のスーパーでしていた。この店には安い銘柄のKavaranウイスキーも売っていて、空港に行って高額なボトルしか売っていない状況に「全聯で買っときゃよかったー!」と悔し涙を流した思い出の場所でもある。なお、田舎だからか食堂や大きな土産屋さんでもクレジットカードが使えないことが多く、何度もコンビニで現金をATMで下ろす羽目になった。
【食事】
外食が美味しい上に値段も手頃なので、キャンプしてはいたが食事の多くは澳底にある水餃子屋さんや海鮮料理屋さんでした。特に?白毛海鮮という店は、マンボーやらサメ、そのほか名前がわからない魚の謎の部位でできた絶品料理を食べることができておすすめ!店の前には伊勢海老やウツボ、鯛などが水槽にいて子供たちは水族館気分 (カワイイ♡と言っているその魚、この後、食べるんだけど...)。お兄さんも気さくでリピートしました。
カニが入ったサツマイモのお粥 @ ?白毛海鮮. 出汁も効いていて絶品.
ある日の?白毛海鮮での夕食.
店の前の水槽には美味しそうな伊勢海老.
お正月だし奮発して一匹頂きました.
旅する少女. 次はどこへ行くの
今年も(は?)2人3脚で頑張りましょう
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登山口は湖底線路?なるものがある観光地付近にある。バエ写真狙いの観光客が多い中、熊鈴をつけた自分たちからは、やや場違いな空気感が出ている。登山道はよく整備されていて歩きやすいが、尾根に出るまではひたすらジグを切っていく。5歳になる娘も中々の単調な急登を、心を折らずに自分の足で登っている。
尾根に出ればピーク直下までは緩やかで、小走りに歩を進める。頂上は標高1000mちょっとしかないのだが、頂上付近はロックガーデンになっており、アルペン要素を楽しませてくれた。ナキウサギの声も、頻繁にしっかりと聞くことができ、千穂が作ってきたおにぎりを頬張る。
頂上からの景色は素晴らしく、然別湖を眼下に見下ろしながら、対岸側にはウペペサンケ山、その奥には特徴的なフォルムの忠別岳や旭岳までも見通すことができた。心なしか倒木が多かったのは、この周辺の土壌が薄いためだろうか、それとも過去に台風の進路に当たってしまったからなのだろうか。
下山後した後は、然別湖の北岸にあるキャンプ場へ移動してBBQ & 水浴び。
地元鹿追産のサーロインステーキを、YONAYONAエールと池田の町民用ロゼワインでいただく。
北海道20年目?にして実は然別湖は初めてだったのだが、北欧の湖沼地帯を思わせる風光明媚なところでとても気に入った。周辺にはお手軽に登れるピークも多く遊ぶ要素が盛りだくさんのところだった。標高も高く涼しいので、またこのキャンプ場をベースにゆっくり避暑に来たい。
翌日からは帯広で青春の味・サクサクパイを食べたり、青巌峡で登ったり、美瑛付近で地域のBONダンスに参加したり、お盆休みっぽく〆ました。
コースタイム: 8:40登山口ー10:10尾根上ー11:00 頂上 11:45ー13:10登山口 (然別湖コース)
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イマイチだった天気予報も好転し、5歳の娘たちも表大雪をバックにザラメスキーを堪能?。
Skier: Ryo
Skier: Chiho
夜は激ウマ豚汁と焚き火も満喫(しすぎたりして笑)。
何より驚いたのは、シールもついてない小さなスキーでササブッシュもで始めた低標高帯を器用に下っていたこと。
荷物を担いだワンゲル1年目よりスキー操作上手いんじゃないか(笑)...。その後ろ姿を見ていたら100Lザック*3と70Lザック*1 + シートラという重量も報われる、良い山でした。
コースタイム: 上り4時間、下り3時間半
下山後は東川の馬場家にお世話になり、散り始めた桜を眺めながら、美味しいご飯とお酒を鱈腹いただいた。
緑色したネギ餃子.
GW後半は石垣山ではネギも収穫。子供達も千穂もクラック事始めができ、Road to Yosemiteが始まったような...気もする。
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今回狙うのは北西面にあるトビウシナイ沢。前日に島に入り、テントでタケちゃんの積もっているという話を聞きながら一杯やる。小心者の自分は、翌日の天気や斜面の状態が心配で、眠れない夜を過ごした。
トビウシナイ沢の全貌.
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雪が十分に太陽に照らされてザラメになる頃に滑り出すという作戦で、遅めに北麓野営場を出発する。今年は地元の人も驚くほどに雪解けが早く、低標高帯では藪が多くて歩くのに難儀した。
標高を上げるのには夏道尾根よりも1本西側の長官尾根を使った。スキーヤーたちにはよく登られているルートらしい。
道中には立派な、そしてなぜか根元が異様に太くなったエゾマツが多く生えている。
尾根の上まで出ると海からピークまでつながる長浜尾根の大眺望。これを目にしたらテンションを上げずにはいられない。どの角度から見ても、利尻は絵になる山だ。
長官小屋で一息入れた後、快適な北尾根を辿ってピークまで。青い海に浮かんでいるように島の輪郭を見回せるピークでは、天空の城ラピュタにいる感覚になる(行ったことないけど)。ゆっくり景色を楽しんでいたい気もするが、後に控えたメインイベントが気になって落ち着かない。帰りのフェリーの時間もあるので、写真撮ってそそくさと降りはじめる。
前回たけちゃんたちが滑り始めたという標高1600m付近には、見覚えのないという崖が(笑)。
流石にスキーでジャンプとかは無理なので...少し脇をクライムダウンしてから改めて滑り始める。
狙い通りにザラメ状になった雪の大斜面を、転ばないことだけを気にしながらターンを繰り返していく。ザーッと不気味な音を立てながら雪面を流れていくザラメ。格好良く一気に滑り下りたいところだったが、斜面のあまりの長さに太ももが悲鳴をあげ、不覚にも途中で何度か止まってしまった。
Skier: Ago. Photo: Take
先に滑っていたタケちゃんに合流するまで、大分長い間滑っていたように感じたが、実際は5分程度。振り返ると、縮尺がわからないくらい大きな斜面と、さっきまで居た白い利尻のピークが遠く見える。ようやく充実感が湧いてきた。
一同滑り終えて。
傾斜の緩くなった沢の中をさらに滑り降りていくと、ダケカンバとエゾマツの森の向こうに、礼文島が見えた。
あの島にも、また家族でトレッキングに行きたい。
あとはところどころ藪に悩まされながら北麓野営場までトラバースして下山。充実の1日、お疲れ様でした。
*****
新年度最初の週末のこの日。島を出るフェリーでは、異動する学校の先生が、歴代の教え子たちに色とりどりの紙テープで見送られている。こうして見送ることに慣れているようにさえ感じる様子に、利尻の人たちは、島を離れる人たちをこうしてたくさん見送ってきたんだろうなと思う。もちろんその分、新しい出会いがあったはずだ。
そんな、春の利尻の風景に浸りながら稚内へ帰る。また来たい、何度でも。
コースタイム:
北麓野営場 7:15 - 11:00 長官小屋 11:15- 12:45 Peak 12:50 - 14:00 トビウシナイ川原頭部 ドロップイン - 16:00 北麓野営場
]]>札天山は、下川町にある標高596mのマイナーな里山。名寄へ引っ越し、近所にある名前のついたピークを地形図を眺めながら探していた時に見つけた場所で、登山道はなく、地元の人や一部のマニアな人が主に残雪期に登っているようだ。ネットで検索すると皆さん思い思いのルートで登っているようで、私も地形図を頼りに最も上りやすそうな北尾根を辿ることにする。
閉館中とある札天山収蔵館の近くに車を止め、北面の緩い尾根に取りつく。尾根上はトドマツの人工林。春近しとはいえ、まだ雪が残る山中では、ノリウツギなどのドライフラワーが貴重な彩りだ。そう言えば、道中、キツツキたちに穴をあけられた木をよく目にした。
ピーク直下は最後の2-30mが予想以上に急で、スキーからアイゼンに履き替えて登る。しっかりステップを刻めば問題ないが、バランスを崩したらかなり滑落しそうなので慎重になる。
ピークまでもう少し。
出発から1時間半ほどでピーク。あいにくの曇天だが、湯を沸かし、カップうどんを食べて一息入れると整う感じがする。
眼下には一の橋の小さな集落が見える。
下りはスキーを楽しみたいと思っていたが、期待していた北面の沢はあちこちにデブリがある上に切れ込んでいて滑りにくいし、尾根上は植生が密。この山はスキーをしに来る場所ではないようだ....。まあ、そんなこともある。
焚き付けのガンビは沢山あった。
空いた時間に、サクッと低山も良い。また良さそうな山を探しておこう。
コースタイム: 車 5:40 7:05 Peak 7:50 - 8:30 車
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アプローチの林道は、工事のためか運良く除雪が入っていた。札滑川十一線の沢川沿いの林道を歩き、Co463から東に延びる尾根にとりつく。なかなかに優秀な尾根で快調にコンタを稼ぐ。尾根上の植生がダケカンバの疎林に変わってくるころに、Co973から東に広がるスロープが見えてきた。
ここは、お気遣いいただいてファーストトラックをいただくが、1年ぶりの山スキー...へっぴり越しにも程があった。
札滑岳北東面 / Skier uttuu: 難しい雪も流石の滑り。
まだ時間もあるので、シールをつけて登り返し、次はピークから東面を滑る。
札滑岳東面 /Skier: Yukie
こちらの方が北東面より傾斜は強い。本日2回目ということで、少しは攻めの気持ちで滑りはじめたが、スキーのコントロールの仕方がわからず突っ込めない。昔より下手になってる?ゲレンデの基礎練も大事だが、山をもっと滑らなければと思った。
滑り終わる頃には青空も見え出し、小さな氷瀑もでてくる沢沿いをスキーで降り続けると、林道でアプローチのトレースに合流した。
振り返ればどっしりとした山容を望むことができ、渋いけど念願の山に登れた余韻に浸った。
気になっていた山に充実のスタイルで登ることができた。一緒に行ってくれたうっつ、ゆきえ丼、アンドリアン、裕くんに感謝。
コースタイム:
6:00: 出発 - 6:45 尾根取り付き - 11:00 ピーク (途中一回滑走 & 登り返しあり) - 12:15: 林道尾根取り付き部 - 13:15 下山
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今年は氷結状態がイマイチなのか、過去に来た時とは氷の形が大分違ったけど、適度にヴァーティカルなところもあって良い感もどしになった。と言いつつ、近年は年に1-2度しか登っておらず、現状維持がいいところ。全ピッチリードさせてもらった。
1ピッチ目.
2ピッチ目.
3ピッチ目.
F1の懸垂下降ロープの回収時、ロープが木に引っかかって手間取った。細かいことだけど、山でやったら面倒なことになる。気をつけたい。
登り終わった後は、冬になり水量が減った石狩川上流部を眺めながら旧国道をあるく。夏の荒々しい水流とは対照的に、流れが穏やかで平和的な雰囲気を出すこの時期の上流部の景色には、いつもカメラを構えてしまう。
石狩川上流部
荷物を積み込み、車を走らせていると「幻日(げんじつ)」と思われる珍しい自然現象や、真っ白に雪化粧した北大雪の山々も遠くに見ることができた。北海道の冬の穏やかな美しさは。
幻日というらしい。虹のようにも見える。
ニセイカウシュッペ山を中心とした北大雪の山々。
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オーストラリアは、面白い動物もいるし、僕ら夫婦の中で子供が物心がつく頃に行こうと取っておいた場所だ。Blue mountainsはシドニーから内陸に1時間半ほど車を走らせた所にある砂岩の岩場で、標高1000mほどの場所にあるテーブルマウンテンに数千という膨大な数のクライミングルートがある。岩場への拠点は、KatoombaやBlackheathという街。モーテルやホテルも沢山あるが、我々は節約のためBlackheath Glenにあるキャンプ場に滞在し、そこから毎日岩場やトレッキングに出かけた。
こんなテーブルマウンテンが無数にある。
僕の名前はカッツン 改め カツゥーンバです。
天場。タルチョ風の洗濯物。
夏に買って早々と妄想を膨らませていたトポ - "Blue Mountains Climbing 2019年版"には、ルート情報の他にも岩場がKid Friendlyかが書かれていて、子連れにはありがたかった。ただし、Kid Friendlyとはいえ、岩場慣れしていない子供をいきなり連れて行くのはオススメできない。事前に日本の岩場へのアプローチや過ごし方に慣れておくと良いと思う (ちなみに我々が行ったのは、Mount Piddington, Mount York, Zig Zag, Bardens Lookount, Dam Cliffsという岩場)。
大人のみんなは、引っ越しやら、子育てやら、ビールの飲み過ぎやら...以下省略...で全くもって登り込んできたわけではなかった。ただ、一度ひどいthunder-stormにやられた他は概ね天気もよく、子供たちと一緒に遊びながらも毎日数本ずつルートを登ることができた。主に20-30mある長めのスポートルートを登っていたけど、4つ星のクラック"The Eternity"など極上のトラッドルートにもありつくことができた。
映えるMezzaluna (16): Climber Aski
壁の真ん中を走るクラック - The Eternity (18)
Joseph (14) : Climber Chiho
Honey dig (13) Chimber: Makoto
A Most Profligate Sinner (24) Climber: Makoto
レスト日にはいくつかトレイルを歩いた。そもそもBlue mountainsは一般的にはトレッキングで有名な場所で、我々もGrand canyon, Laura cascades, Wall's cave trackに行ってみた。どのルートも歩道が整備されており、数時間以内で歩き終わる長さなので子連れにちょうど良い。切り立った崖にかかる滝や川のプールで水浴びしみながらのハイクは気持ちよかった。
滝行でお経を読むカツゥーンバ。世界各国の人たちの注目を浴びていた。ジェラシー。
蟻塚。めちゃめちゃ硬い。
オレンジ色の砂岩と青空のコントラスト、そのまま大きくしたら恐竜になりそうなトカゲ、山火事がないと種子を飛ばさないというバンクシアや想像以上に種類が多かったユーカリの木々、木生シダが茂る谷間での川遊び、歌っているような馬鹿にしているような声を出す赤や白の鳥たち、いつも見るのとは反対向きのオリオン座、キャンプしながら食べる脂がのったタスマニアサーモンや絶妙な癖のあるラム肉...そして、Katoombaの街にあるビアブルワリー "Moutnain Culture Beer"のNew England IPA (NEIPA)。
バンクシアの種子。唇みたい。ベルセルクに出てきそう。
バンクシアの花. シドニー周辺だけで、12種類のバンクシア属の樹木が生えているらしい.
ラム肉はシンプルに塩胡椒で焼く。ケバブになったやつも美味。
激ウマパエリアにはMountain cultureのビールがよく合う。
大人も楽しかったけど、子供も楽しんでいた(と願いたい!)。毎日、キャンプ場で子供どうしで思う存分遊べたのが楽しそうだったし(日が暮れ始めるのがPM8時なので笑)、川ではびちょびちょになり、クライミングルートもトップロープでいくつか登っていた。楽しみにしていた岩場での野生カンガルーとの遭遇は叶わなかったけど、動物園で間近で見えたのでご勘弁。札幌からシドニーまではバンコクを経由して、フライト時間だけで16-18時間もかかるが、機内の動画を見たりしながら拍子抜けするほど大人しくしていた。機内食はお気に召さなかったようだが...。
Dam cliffsは岩場のすぐそばで水遊びができる。
Mount Yorkに行った日は灼熱で、影に逃げ込む子供たち。
ロープ確認.
Zig Zagにて. Climber: Ryo
Mount Piddingtonにて. Climber: Ryo
道端には出てこなかった...
タロンガ動物園の怠惰なやつ。
ドキドキするようなクライミングツアーではなかったけど、異国情緒あふれる景色の中、日本では中々お目にかかれないスケールのルートを登りながら、クライミングって楽しいなー、世界って面白いなー、そんな当たり前の言葉を何度も噛み締める、そんな旅だった。
まだ余韻は冷めてない。ただ、我々には次の旅が待っている。キャンプ場でMountain cultureのIPAを飲みながら"4年後はYosemite"と一応決まった。さて実現できるか。
日々の生活を充実させながらもParty, Familyそして個人としての岩/山の経験を積んで、こんな旅をやり続けて行きたい。
楽しんでいこう、自分の岩と、家族の岩。
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まずは、独特のラインの美しさに一目惚れしていた黒蛇(5.11-)を登りに。今シーズン中に登れたらなーと思って取り付いたら、1便目で手応えあり。下部のフィンガームーブを確認した後、2便目で登れた。初めて5.11代のクラックを完登。
その後、クールダウンで登った既登のツチノコや弁天でも少し成長を感じることができた。
雪が残る春先からのうみんちゅ塾@T峡の成果だろうか。
次はベスピュラ触ろう。
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パッとしない天気予報だったのですが、調査地であるBallinvaggeという氷河後退域までヘリコプターで移動し、サンプリングをしてきました。山に滞在中は大して雨にも降られず、谷の奥に残る氷河や、氷河が削った岩壁、見下ろせばアビスコの方まで続いている川など雄大な景色の中にテントを張りながら、満足のいくフィールドワークができました。研究対象としている植物の様子を見ると実験もうまく行ったようで、ことあと分析を進めてデータが出てくるのが楽しみです。
ヘリコプターで調査地へ向かう
研究対象としているCassiope tetragona
背景に見えるのが氷河。今回のチーム。
今はAbiskoの研究所に帰ってきて、アシスタントのAlbinと修士研究を指導しているインスブルック大のValentinとの3人で、大量の土と植物を処理しています。気づけばAbiskoへの滞在も残り5日になってしまいましたが、みんなの頑張りで予定していた仕事を終えることができる目処がついてきました。
コケの生きている部分と死んでいる部分などを分けたりします
コロナの影響もあり3年ぶりのAbisko。この村に住んでいたのも気づけば10年前だと思うと、村のあちこちで変化が見られることにも納得できます。研究所のスタッフに見知らぬ人が増え、スーパーマーケットの場所が変わり(相変わらずグミの品揃えはハンパないけど...)、駅のホームも真新しくなりました。ただ、白夜の夜に友人のThomasやEllenとする人生相談、ツーリストステーションの美味しいランチ、そして、Stornabenというお気に入りの丘から見えるLapportenなど、変わらないこと・ものもあります。
U字谷が顕著なLapporten
今年でこのプロジェクトはひとまず終わりなので、しばらくAbiskoに来ることもないかもしれません。今の大学の自分のポジション的には、もっと森の研究にweightをおいた方がいいのかなとか、長引くであろうコロナのことを考えると海外の調査は控えた方が効率的かと思ったりもします。ただ、やはりここに来ると気候変動によりDrasticに変わっている自然を目の当たりにするし、それに真っ向勝負で向き合っている質の高い研究、先鋭的な研究者たちがいることは確かで、この場所に土地勘や、自分が持っている"つながり"も大事にしたいと感じます。
Ellenに”今年でとりあえずプロジェクトが終わりそうで、しばらくはこないかも...”と話したら、”じゃあ、次のプロジェクトをスタートするタイミングだね!”といつもの笑顔で言われて、ああ、やっぱりAbiskoでの研究を続けたいなーって思ったりします。
Life stageも変わり、自分が研究に費やすことのできる時間や体力も減ってきて、エフォートを割く研究対象の選択と集中が、自分にとっての課題です。時間も体力も限られる中で、どうやって1-研究者として、1-PIとして研究を進めていくのがよいのか、楽しいのか、納得のいく成果をあげることにつながるのか、そんなことを考えながら、白夜の何ともやさしい光に照らされるLaplandの景色を眺めています。
Tornetraskの湖畔
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今年は、お手軽に色々な高山植物が見れると聞き、家族登山の目的地として気になっていた北大雪の平山へ。昨年は背負子を駆使し、一泊でなかなかBIGな天塩岳へ登ったが、娘を背負うのもしんどくなってきたので(悲)、少し短めな行程の山にした。
沢沿いに伸びている夏道は、頻繁に支流をわたっていて雪解け水を飲みながら歩を進めることができる。なかなか立派な滝を眺めながらゆっくり歩いていくと、お腹が空いてきた頃にCo1425の二股にある第一雪渓へ到着。
この時点でピークまで行けるか時間的にはギリギリか。
もはや恒例となったホットサンドと勝亦家が持ってきてくれた”きみかげ"の激ウマパンで鋭気を養いつつ、引き返し時間を決めてさらに歩を進める。
第一雪渓は部分的に固くなっているので子供たちとは手をつないで慎重に渡る。このあたりから、夏道沿いにチングルマやミヤマキンバイ、エゾコザクラなど高山植物も見え始め、稜線も近づいてきた。もう少しだ。
稜線に出ると思ったよりも近くにニセカウ南稜が現れ、予想外の迫力。
この時点で下の雪渓で設定した引き返し時間ギリギリ。もう少しでピークなので、引き返すかどうか悩む。
試しに稜にどうしたいか聞いてみると ”てっぺんまでいきたいっ”と。
ちょっと誘導尋問だったかもしれないが、ここまで来たんだしということで平らな尾根をさらに歩いて頂上まで。
すごい、4歳児、1771mまで自分の足だけで来てしまった。大したもんだ。
生憎展望はきかないが、とてもいいものを見ることができた。
子供3人、ワイワイ遊びながら疲れを忘れて歩いてこれたのが、ピークまで来れた大きな理由だと思う。子供の力ってすごい。
帰りはさすがに時々抱っこ&おんぶを交えながら18:00過ぎた頃に下山。こうして合計9時間を超える長い大冒険も無事に終わり、東川の友人宅へお邪魔する。
美味しいご馳走を鱈腹いただき、至福の時。
散々歩いて疲れているはずの子供たちは、小一時間程度の車中の爆睡で体力を完全回復させたようで、夜遅くまで遊び続けていた。
若いって素晴らしい。お疲れさま。
コースタイム:
9:30 登山口出発 ー 12:15 第一雪渓 12:40 ー 14:10 稜線 ー 14:30 平山頂上 15:00 ー 16:30 第一雪渓 ー 18:30 登山口
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日本人男性の平均寿命が81.64歳らしいから、おおよそ人生の折り返し地点まできたわけだ。
健康に注意して生きていけば、人生あと半分ある。不惑どころか、迷うことばかりで多惑。今大事なのは、何をやらないべきか、を判断する能力。でもまだ成長できる、変われる時間はあるはずだ。そもそも変わることに、実はそれほど時間は必要ないのかもしれない。
ここ数年よく考えることは、何事でも”成し得る人”というのは、どうやったらうまく行くのか、高みに辿り着けるのかということの根本的なやりかたが頭でわかっていて、しかも行動にうつすことができているのだろうということ。
自分は、この年になるまで、”物事のやり方”というのをよくわかっていなかった。わからないまま勢いとノリに面白がって、それなりで生きてきてしまったなーということをよく思う。確かに新しく機械を買っても、説明書もよく読まない。
なんだか焦って生きてきたんだと思う。何事も、人より早くはじめること、決めることが、遠くに行けることにつながると思っていたのかもしれない。でもそれでいける遠さなんてたかが知れてる。ほんとに遠くに行きたかったら、一歩一歩、よくよく方向を見定めて進み続けるしかない。
そう、"何かを成し得るためのやりかた"というのは、今の私に見えている範囲で言えば、派手なものではなく、始める前に時間をかけすぎかな、放置しすぎかなというくらい考えてやるべきこと(=やらないでいいこと)を見定める、少しずつでも進め続ける、丁寧にやる。。。といった、とても基本的なことな気がしている。もちろん、好きな気持ちはデフォルトで必要だけど。
家族と楽しく過ごしながら、研究も、山も、一歩一歩、ただ歩くのではなく登りながら、高みを目指していきたい。
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入渓直後にパートナーの沢足袋が壊れるハプニングがあったが、奇跡的に最初の渡渉点のところの木に草鞋が掛かっていて遡行できた(そんな奇跡ある?)。
滝の瀬13丁、ミーハーなれどいいものは良い。
いつぶりか忘れるほどに、久しぶりにオショロコマを釣り上げ、塩焼きにして食す。
シングルモルトをチビチビやりながら焚き火の夜は更けていく。これがやりたかったんだ。
今年の高標高帯の紅葉は、例年になく鮮やからしい。
ウラシマツツジやナナカマドの赤やイワイチョウやダケカンバの黄と、ハイマツの濃緑とのコントラストが映える。
源頭部では、構造土などをマニアックに堪能し、調査もして下山。
やっぱ沢はいいね。
コースタイム:
1日目: 6:20入渓ー10:20 980二股 ー (1時間半ほど釣り) ー 16:20 Co1530 C1
2日目: C1 6:40ー 8:30縦走路 ー10:00 ヒサゴ沼
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