春はいそがしい

4月最後の週末、元気と則ちゃんと利尻へ。久しぶりに山らしい山に登った。

土日とも天気が良く、絶景を楽しみながらの山旅。最高でした。

 

 

これにて雪と戯れる日々も一段落か。

 

下界では雪もすっかり解け、土も呼吸をし始めるし、木々も芽吹き始めます。

チーム雪解けの丸毛さんは、早くも測定シーズンまっただ中です。

 

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大規模操作実験な春

さて、今年も雪解け操作実験の時期がやってきました。

温暖化に伴って進んでいる雪解けの早まりが森の植物や土壌に及ぼす影響を調べるため、森の雪を溶かしてその影響をみます。

 

森全体がどんな影響を受けるのか知りたい。

じゃあ、森を丸ごと操作しちゃおうよ、というのは北大研究林伝統のクレイジーな発想。で以下のようなジェットヒーターを用いた大面積操作実験を実施しています。

 

 

 

 

去年の雪解け操作で影響が出たものも出なかったものもありますが、その確からしさを検証するため、今シーズンも操作実験を行います。

 

まだ雪深い道北ですが、早くもフィールドシーズン開始です。

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生態学会@早稲田

今週は早稲田大学で開催されていた生態学会に参加していました。

研究室からは以下の3件を発表。

 

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融雪時期の違いが樹木の葉形質に及ぼす影響は個体サイズによって異なるか?

丸毛絵梨香•高木健太郎•関宰•小林真

 

高カルシウム条件に対するミミズの局所適応: その検証と窒素循環における重要性

河上智也•磯田玲華•橋床泰之•小林真

 

雪解け時期の早まりが下層植生と成木へ及ぼす影響の違い: 大面積操作実験による検証

小林真•片山歩美•丸毛絵梨香•Bryanin SV•高木健太郎

 

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どの発表にも多くの方に聞いていただき、今後の方向性などについて有益なコメントをいただきました。

河上くんは物質循環部門でポスター賞優秀賞を受賞しました! 良かったね。

 

会期中には来年度の研究の打ち合わせもいくつかすることができ、有益な時間でした。

 

関東はもうサクラの時期。まだ遠い道北へ、ちゃくちゃくと桜前線は近づいていきます。

さて、いよいよ来週から雪解け実験の開始です。

 

 

 

 

 

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論文: 山火事跡地で炭が多い場所は大きな木の根の活性は高いが下層植生の根の活性は低い

去年の8-12月に当研究室に滞在していた研究員セミョ太郎ことセミョンとの論文が受理されました。

 

Bryanin, S.V., Makoto, K. (in press) Fire-derived charcoal affect fine root vitality in post-fire Gmelin larch forest: Field evidence. Plant and Soil.

 

山火事で炭ができて土の中に混ざると、土の化学性が植物の好む条件に変わり、植物の根の成長が良くなることが知られています。しかし、過去の研究のほとんどは、実験室内で植木鉢に木を植えて炭を(時にはありえないほどの量を)与えて検証したもので「実際の山火事跡地で炭が根に及ぼす影響」についてはわかっていませんでした。

 

↑アムール州にある研究サイトの1つ。山火事直後の森は炭だらけ。

 

本研究では極東ロシアの山火事跡地に行き、土の中にある炭の量と植物の細根の活性(生きた根に対する死んだ根の割合として計算)について調べました。

 

炭の量が多い場所では、樹木の根の活性が高い一方、下層植生の根の活性は低くなっていました。炭が多いと下層植生の根の活性が低くなっていた事については、炭が多い場所で樹木の根が増えることで、樹木と競争関係にある下層植生が負の影響を受け、結果として根が減ってしまったのではないかと考えています。今後は操作実験を交えて、上の予想を検証したいと思っています。

 

セミョンとは、修士時代から10年来の付き合いで、ロシアでの研究のときにいつもサポートをしてくれています。

ただ、「日露研究あるある」として、現地の人に自分のサポートをしてもらうことはあれ、現地の人の研究を日本人がサポートして英文の論文としてまとめることは少ないのが現状です。背景には、ロシアでは英語で論文をまとめることが、これまで求められていなかったという事情もあります。ただ、ロシアも変わってきており「若い世代が研究費を獲得していくためには、世界に認められる英語の論文が必要だ」と、セミョンは言います。

 

今回、日本滞在中に彼が筆頭で論文をまとめることができた事は、今後、相互に利益がある形で日露間で研究を進めていく上で重要な一歩であると思っています。だから、嬉しさもひと塩!

 

セミョ太郎、お疲れさま。そしてみなさま続編をお楽しみに!

 

**以下、セミョ太郎との思い出**

 

あゆみちゃんと、北海道のササ地にて土壌呼吸を測る。

 

研究室のメンバー + うめ子姫との鍋Party。

 

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2016年から2017年へ。

今年一番の寒波が北海道を襲い、ここ問寒別でも朝から除雪車が動き回っている。

シーズン初めのドカ雪にも関わらず、その後は雪がふらず平年以下の積雪量か?と思っていたが、地元の人がよく言うように「結局最後は帳尻があって例年並みになるんだ」ということだろうか。

 

新年になって2週間たってしまったが少し2016年のことを。何よりも大きかったのは、初めて学生が研究室に配属されたこと。そして海外からの学生/研究員も数ヶ月ずつ滞在してくれ賑やかな1年だった。学生たちは自分では思いもしない結果の示し方、考察をしてきて(ときどき的外れでもあるんだが笑)、一緒に研究していると一人でやるのとはテーマの深め方、幅の広がり方も段違い。成果のいくつかはまとまりつつあり、学生たちの論文が発表されはじめれば、研究室も少し軌道に乗り始めるというところだと思う。

 

一方で、自分が筆頭の論文は余り書けなかったのが大反省...。「論文書きなさい」というなら自分はそれ以上書かねば。今年は、朝晩の時間を有効につかって、今年がプロジェクト最終年となる雪解けの論文や、進めているメタ解析の論文をまとめたい。

 

遠路はるばる研究林を訪れてくれた研究者も多く、一緒に山に行って専門外の話を聞けたり、色々な調査の仕方を見ることができたのが面白かった。来年もそんな年にできたらいいな、より多くの方に利用してもらえるべく精進したい。今年こそは研究林Tシャツ作りたいな...←そこ?

 

 

 

 

プライベートでは、結婚後1年ちょっとが過ぎて、何となくしっくりしてきたというところだろうか。相変わらずの別居生活ではあるけど自分たちなりのペースで楽しめていると思う。

 

山の方は、フリークライミングによく行った。そのおかげでシーズン始めに目標としていたルートも登れた。山で難しいルートをトライする上でもフリーの力は役立つ。今年の目標はずばり「月の石」。でも、山勘や体力は山に行っていないと衰えてくる気がする。この岩を登って、最終的にはどんな山をやりたいのか。そのビジョンも持ちつつ、今年は、山とフリーのバランスを考えながら登って行きたい。年末はかみさんと台湾へクライミングツアー。沢山のルートが登れ、現地の人たちとも仲良くなり、見たことの無い美味しい料理も色々たべれて満喫した。

 

 

 

 

今年も宜しくお願いします。もっとブログも更新します。

 

 

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松本へ

信州フィールド科学賞の授賞式と記念講演会に参加するため、松本に行ってきました。

講演会には、山好きそうな一般の方も沢山きていただけました。

少しでも、北方林や北極圏の山で起こっている変化を伝えることができていればよいのですが。

 

 

終日快晴で、山の先っちょだけが白く雪化粧したアルプスの山々を楽しめました。

松本は山も近いし、街のあちこちに古い歴史を垣間見える建物があったり、とてもよい場所ですね。

 

食べ物もお酒も美味しいし...

 

 

滞在中は、今年から信州大学で勤務されている牧田さんに色々とご案内いただき、道中で研究についても熱く語ることができました。

今後とも、宜しくお願いいたします。楽しみなコラボレーションです。

 

 

飲み会では、岩田さんともフェアバンクス以来の再会!

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ミミズの冬越し

しばらく更新しないうちに、気づけば問寒別も雪景色。今年は例年になく雪の訪れがはやく、スキーを新調しました。

今年は何回くらい山スキーにいけるかな...。

 

今期のフィールドを店仕舞いとする前に、苗畑で今年最後の実験を仕掛けました。

 

 

 

 

セミョと一緒にミミズたちを土に埋めます。凍らず冬越ししろよ〜。

 

また春に会いましょう。

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CIRCのHPにて

Umea大学•Climate Impact Research Center (CIRC)のHPで、私たちの調査風景の写真が使われています。

 

 

ワスレナグサの描かれた帽子、アンカレッジの市場で格安で買ったけどお気に入りで長く使ってます。

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Abisko再始動

随分前のことになってしまったけど、この夏のAbiskoでの調査について。

 

 

稚内空港から最寄りの空港があるKirunaまで24時間、準備の慌ただしさが終わったと思ったら複雑な感情が湧いていた。

 

見慣れた高山植物が咲き、何種類もの甘酸っぱいベリーが実るあのラップランドで研究を再開できるという嬉しさと、わざわざAbiskoに行くからには挑戦的なテーマをやらなければという気持ちが入り交じった気持ち。といっても最後にAbiskoを訪れてから4年、自分が思ったほど時間が経っていなくて驚く...。

 

 

Abiskoは、アラスカのToolik lakeと並んで北極圏研究の拠点であるにも関わらず、まだ日本の研究者はほとんど入っていない。日本人にはアラスカやスバールバル諸島の方が人気だ。「Abiskoは自分だけの場所であってほしい」という感情がある一方で、色んな専門の日本人と、基礎知見が積み重なった研究サイトでやるからこそ「巨人の肩の上に立ち」問う事ができる挑戦的な生態学的疑問に取り組んでみたいという気持ちを持つようになった。今回はそんな思いを胸に、北大、横国大の若いメンバーといつものScottと、ツンドラからの温室効果ガスの放出量などについて調査をしてきた。

 

 

Abiskoは変わってしまったところも沢山あったけど、驚くくらい僕の事を覚えていてくれて、道ばたでばったり会って、

 

「Makoto!!!!!!?You なんでここにいるんだYo!!!?」

 

ということしばしば。決して言い過ぎではなく、村中が歓迎してくれた。

 

住んでいた頃と名前が変わっていた村唯一のスーパーマーケットでフィールド調査へ向けた買い出しを済ませる。

 

相変わらずの品揃えの悪さだが、絶対に調査に持っていきたいと思っていたアンズタケの粉末スープは手に入れる事ができた。

そういえばこのスーパーも9月には閉店してしまうと聞いた。車をもっていない人達は、これからこのどうやって食糧を調達していくのだろう。

 

みんなのザックにキャンプとサンプリングの道具を選り分け、7時間のトレッキングにて調査地へ向かう。

Betula pubescensの森を抜け、樹林限界を過ぎると視界が広がる。

小雨が降ることもあったが、霞がかったツンドラの山々が、氷河に削られてできたU字谷に雄大な雰囲気を与えている。

 

 

 

ベリーを頬張ったり、スコットによる植物学講座を受けたり、小川の水を飲んだりしながら目的の氷河の後退域まで。

 

 

テントを設置していると、冷たい雨が降ってきたので、小さなテントにぎゅうぎゅう詰めになって夕飯を作る。

この先の天気も思いやられるが、肉団子入りのパスタで体を温めて寝袋に包まる。

 

 

夜は大分冷えて、よく眠れなかったが、日中、空は晴れ渡り、絶好の調査日和となる。

 

 

昔の記憶を呼び戻しながら遷移段階の異なる植生を回り、サンプリングをしていく。

 

ほんの5mmほどの"樹高"のヤナギ -Salix herbacea

 

ツンドラへ来る事自体がはじめてだという辰っちゃんは、Witに富んだ鋭い突っ込みと丁寧な作業で調査を支えてくれた。

 

氷河末端に立つ

 


中々ハードな調査だったが、無事に予定していたサンプリングやチャンバーの設置は終了。

 

夜は晴れたので外で飯をつくる。高い山がなく、遠くまで見渡せるラップランドの雄大な景色のなかで仲間と食べる飯は格別だ。

軽量化してウイスキーを持ってこなかったのが悔やまれる...。

 

Copyright: Shinichi Tatsumi

 

 

この日の夜も冷えてよく眠れなかったが、翌朝、テントを開けてびっくり。

 

 

 

 Copyright: Scott Wilson

 

 

 

 

「メリー クリスマス」

 

 

 

 

スコットのテントから半分笑いが混じった声が聞こえてきた。

 

真夏に一面の雪景色である。

 

 

うーむ、Extreme。入山前は曇りの予報だったが、ここまで変わるとは...。ネタとしては面白い。日頃の行いを疑いたがる...。いや、むしろこの特殊な状況をうまく活かしてしまえないか、と思うが、この状態ではそもそもの目的である「夏」の状態のガスフラックスは測れなそう...。

 

 

帰国前に実験室で捌いてしまわなけべらならないサンプルが大量にあるので、ヘリコプターにて一旦アビスコへ帰り、また天気が回復した頃に訪れる事とする。

 

 

薪を割り、サウナに入って体力を回復し、みんなに手伝ってもらいひたすらサンプル処理をする。

素晴らしいチームワークで朝から晩までみんながフルに働いてくれたおかげで、膨大な数のサンプルをばっちり処理できた。

 

 

ハードワークのおかげで帰国前日に少し余裕ができた。夕方から研究所の同僚で友人でもあるトーマスの家にお呼ばれし、離れていた間のこと、これからのことを語り合う。

 

 

時間は経った

お互いに変わった事もたくさんある

 

でもこうして面白い研究を、良い仲間と、美しいフィールドのなかで変わらずやり続けて行けたら、それ以上何が必要かな、そんな風に思った。

 

See you again, Abisko gang.

 

一緒に調査をしてくれたみんな、変わらず友人で居続けてくれているみんなにありがとう。

 

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信州フィールド科学賞

2016年度•信州フィールド科学賞を頂けることになりました。

 

この賞は、信州に限らず山岳地におけるフィールドワークを基本として研究している若手の研究者を対象としたものです。

「周極域の山岳地における植生遷移と炭素循環 -気温上昇への応答に注目して-」という研究課題で受賞しました。

 

これまで一緒に山に登ってくださった沢山の皆さんのおかげです。ありがとうございました。

これからも山に登り続け、土を堀り、植物を観察し、山の自然•生物の面白さをお伝えしていきたいと思います。

 

スウェーデン北部 - Abiskoにて

 

極東ロシア - Zeyaにて

 

 

また、一緒に山に行きましょう。

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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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