帰国してから1ヶ月と半分弱。
文字にしてその時間をみれば"1"という数字の魔力なのか、
短い割には、仕事でもプライベートでもそれなりに色々できたと思う。
しかし思うのは、何をしても"よい経験"になった場所での生活は、やはり特別なもので、
帰ってきて、なにをすることも当たり前にできて当然の場所で生活をする中で、
これまでの自分が甘えていた部分を自覚する。
1冊、本を読んだ。
相変わらず本を読むのが遅いのに、慌ただしさも手伝ってなかなか進まなかったけど、
GWの雨が助けてくれた。
スタバでのんびり、論文書いたり本を読むのも久しぶり。
札幌の駅周辺に比べて、店の選択肢は少ないけど。
読んだのは重松清の「永遠を旅するもの」
1千年、生き続ける主人公が、流れ流れ、
旅の先々でのであった短編の物語を集めたもの。
長く生きるということは、人間のさまざまな側面や沢山の形の死に向き合い
そしてひそかな喜びにも気づくことになる。
1つ1つの物語が、重松清らしい、
じわっと、うまく言葉にできない感情を抱かせるようなもの。
本文からいくつもの素敵な言葉をノートに書き写したけど、
それは本を読んでみてくださいということで、あとがきの1節を少し。
…これまでとは異なるタイプの仕事をした自分を振り返って、
***********************************************************
こういうお話はもう書けないんだろうなあとつぶやくことが時々ある
たとえばデビュー間もないころに書いた作品がそうだ。
若さの勢いは確かにある。そしてそれは、お話を作るコツを覚えるのと引き替えに失われてしまい、もう2度と、取り戻せないものなのだ。
お話の書き手として、意識的に、繰り返しのきかない物語に挑む時だってある。
一期一会の物語と言えばいいか。
自分の守備範囲を決めつけてしまいたくはないが、「自分らしくない」仕事はあるし、
それにあえて挑んでみたくなる思いも、やはり、ある。
(中略含む)
************************************************************
いくつかのプロジェクトを立ち上げる準備をし、
そして、めどのついた話を論文にまとめながら、
なにかこう、全体を見渡して、自分らしさにとらわれず、でも意識しながら、
「らしい」ものも「らしくない」ものも進めていけたらいいと思う。
共同研究者との出会いはもちろん、
ふともらったアドヴァイスやコメントとの一期一会を大切にしながら。
それが読み終わって読み始めたのはこちら。
田辺力の「多足類読本」
これからどっぷり向き合う?つもりのヤスデのことがかかれた本。
細かな科学的な内容はもちろんのこと、著者のヤスデに対する愛情がつまっていることが、
初めのほうをぱらぱらめくっただけでも伝わってくる。
ヤスデに対する思い云々はおいておいて、3ページめにして
1研究者として、つーんときた言葉。
「何かにはまった状態とは、流れができていることではないだろうか。
これは大切なことだとおもう」
新しい場所にきて、新しいテーマに変われば、流れが変わる。
僕はまだ、その流れを作り出す前の段階なんだな。
がむしゃらにやるだけでもだめだけど、流れを手繰り寄せるために、
もっとがむしゃらにやるときなのだろうなーと思った。
雨雨。
連休中に読んでしまおう。