ポロヌプリ

日程: 2018年4月5日〜6日

メンバー: 小泉、佐野、小林

行動概略:

4/7: パンケナイ林道除雪終点 (4:30) – (6:30) Co173 (8:30) – (9:30) Co174二股– (11:15) Peak (12:15) – (13:30) Co173でC1

4/8: C1 (8:10) – パンケナイ林道除雪終点 (9:45)

 

行動詳細:

4/7: まだ夜が明けぬ暗闇の中、中川から枝幸町の歌登まで車を走らせ、町外れのパンケナイ林道へ入る。除雪は、Co35にある牛舎までしかされておらず、ここで車を止める。春グマも出ているという話で、暗闇の中を歩くのは物騒....明るくなりはじめるまで適当に時間を潰してから出発。10kmほど林道を歩く。Co137の広くなっているところでテントを発見し、先に入山していた2人と合流。太い針葉樹に囲まれ、沢の音が聞こえる気持ちのよいテン場だ。

 朝飯を食べたりしてから再出発。途中、雪に埋まった採石場を横目に見ながら林道をCo174二股まで。ここから支流に入る。二股周辺は、すでに沢が開いていたが50mも標高をあげればそれも埋まっていた。スノーブリッジを適当に渡渉しながら、Co597ポコ下の斜面まで。ジグを切りながら快適に標高を稼ぐと美しいダケカンバの疎林が広がっていた。ポコは北から巻いて、稜線へ出る。Co608の尾根が細くなってきたところでスキーをデポし、尾根をツボ足で駆け上がる。ピークでは、ガスのため展望は望めなかったが、石灰岩が出ていたり、コケモモ、ガンコウラン、ハイマツが生えていてアルペン情緒を楽しめた。

 

 

 

ピークからの西側斜面はスキーをしたら楽しそうであるが、東側はかなり崖になっている。私たちはスキーをデポしたところまでツボ足で降りてからスキー。今朝から降っていた新雪のおかげで、予想外に快適な疎林のツリーランを楽しんだ。あっという間にテン場まで帰り着き、明るいうちからウイスキーをあおる。道北の静かな森の奥で、至福の時間だ。

 

 

 

4/8: ゆっくり起き出して、うどんを食べ下山開始。出発した頃は晴れ模様だったのに、車に着く頃には、なぜか雪が降る始末。結局、この山行中、一回もポロヌプリのピークを拝めなかったが、まあそんな時もある。天塩川温泉に入って、昼飯食って帰宅。久しぶりに深い懐に抱かれるような山に登れて楽しかった。

 

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実りの冬

僕の住む中川町には、すぐ脇に天塩川が流れている。川面は、冬の間に凍って一面真っ白になるのだが、先日、その氷が割れ海に向かって流れ出たとテレビのニュースで知った。年度末は学会シーズンで、その日も高知に出張しており、今年も流れる氷が告げる新しい季節の音を聞き逃してしまったようだ。蛇行を繰り返す大河が、白い大地に一本の黒い太い曲線をひいて、北の春がはじまる。その様子を、ドローンを使ったり、近くの山に登って高いところから見てみたいと思った。

 

この冬、娘が生まれた。妻と3人家族になり、僕たちにも「家族感」がでてきた。まさか自分が携帯の待ち受けに娘の写真を登録する日が来るとは...。私はおっぱいも出ないので、子育ては今はもっぱら妻が頑張ってくれている。今後、自分も貢献できる場面がでてきて忙しくなっていくのだろうが、それもまた楽しみ ーそう、自然に思う自分がいて、ちょっとはっとする。独身のころ、自分の事だけ考えていた数年前よりも、時間は少なくなっているし、行くハズなのに、考え方や人生との向き合い方に、すこし余裕ができたように思える。娘と3人、この世界の色々なところに行って、家族としてどんな時間を過ごして行けるのだろう。それが楽しみだ。

 

こんにちわ。

 

研究関係でも嬉しいことがあった。自分が所属する日本生態学会と日本森林学会にて、若手を対象にした賞を2つもいただいた。1つでも受賞するのは難しいだろう....と思って応募していたので、嬉しいを通り越してびっくりしている。これまでご指導いただいた国内外の諸先生、一緒に研究を進めてくれた共同研究者、そして一緒に酒を片手に語りあってくれた全ての皆さんに心より感謝したい。今後も山、森の中に入り続け、自分にしかできない、自分だからできる研究を模索して行きたい。

 

お世話になった小池先生と金子先生と@高知

 

また、たくさんの方に分担執筆をしていただき「生物学者、地球を行く」という本を出版することができた (4月10日発売)。この本では、深海、北極、南極、山、乾燥地、森、都市、そして宇宙まで、地球 (宇宙も)のあちこちに出かけて行って、、生物と厳しい環境との関わりを研究している32人の気鋭の研究者の方に自身の研究のおもしろさを語っていただいている。自然科学の本としても、アウトドアを深く楽しむ本としても、おもしろいものになったと思う。研究者として、元ワンゲル部員として、つまるところ一人の自然好きな人間として、学問的な対象としての自然と、趣味で楽しむアウトドアのフィールドとしての自然をつなぐようなことが何かできたらな、と思っていたので、何か1つ、自分がやるべき事ができた感じがする。研究者の皆さんも、山好きなみなさんも、お手に取っていただき、感想を聞かせてください。

 

 

山については、快晴の天塩岳の大斜面を滑ったり、ピンネシリ岳で極上パウダーを堪能したり、Abiskoから来てくれたエレンと一緒に山に行ったりと、小粒ながらも思い出深い山に行けた。元気&レオナルドと挑んだ開拓は、力及ばず途中敗退となったけど、折れた心も既に立ち直り、めらめらと燃えている。また、正月に実家に帰ったときに、68歳の親父とザイルを組んで岩場でクライミングができたのはとても嬉しかった。親父は、この年になるまでクライミングなどしたことが無かったけど、去年の正月にクライミングジムに初めて一緒に行ってから、コツコツトレーニングをしていたらしい。登ってみると腰も入って中々の登り。それなりの年になってきたけど、まだ色々新しいことにも挑戦して、元気に楽しくやって行ってもらえたらと思う。

 

パウダーまき散らすゆきえさん

 

My family@湯河原幕岩

 

そして、最後に。自分の研究室の第一期生の学生2人が修士過程を卒業した。一人は林業職に就き、一人はさらに進学して、これからも一緒に研究をする。はじめての主指導教員としての学生指導は、暗中どころかブラックホールを模索する日々だった。反省点をあげればきりがないが、無事に卒業してくれれば、ひとまずは結果オーライだろう。今後の人生に活きるものが1つでも伝わっていればいいと思う。この2年間で2人の学生相手に学んだことを、僕自身もこれからに活かして行きたい。

 

森林学会にて

 

卒業にあたり学生からもらった錫のぐい飲み。酒が進んでしまいそう。

 

 

4年間、かなりのエフォートを割いてきた雪解けプロジェクトが一段落し、新年度からは、少し違う視点で研究をして行きたいと思っている。身近な自然の小さな不思議を解き明かすような、それでいて世界の研究者が「おもしろい」と思えるようにうまく位置付けれるような、そんな研究を、北の地に足つけてやって行けたら。40歳まで、あと4年。30代の間にやっておくべきこととかも意識しながら(そんなのあるのかな)。

 

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凍り始める天塩川

しばらく雪が降り続いていた道北。特に、中川から音威子府、美深までの天塩川中流部の降雪量はとてつもなく、除雪車も一日になんども出動していた。それでも、この辺りにある1000m以下の山では、まだササがちょろちょろと顔を出し、山スキーにはちょっと雪が足りないといったところだ。

 

 

 

4月に中川に引っ越して、毎日15分ほどの通勤をするようになった。吹雪の日は、ホワイトアウトの中を帰らねばならなかったりでちょっと怖いが、今日のように天気が落ち着いた日は、四季折々の天塩川、見栄えのするパンケ山、ペンケ山を眺めながらの贅沢な運転となる。

 

今朝は、天塩川に上流からいくつもの氷が流れていた。この小さな氷の塊は、川の屈曲部で引っかかったり、それらがくっつき合ったりしながら、いつか天塩川の中流部から下流部全体を覆うまでになる。今日は放射冷却で急に冷え込んだためか、川面からもやがでていた。冬の間、天塩川の中流域にはもやが出て留まりやすく、よく雲海をみることができる。

 

 

 

森の葉も落ち、なんだか景色全体が寂しげな11月上旬には、冬の訪れをいやがっていたけど、いざばっちり雪が積もると景色が一辺...美しいものになると、本格的な冬が楽しみになるから不思議だ。

 

今年は、同僚に教えてもらいながら初めて鮭の飯鮓作りに挑戦している。鮭、米、麹、各種の野菜をミルフィーユ状に重ねて、クマイザサの葉っぱで蓋をし、材料をセットする。今後も、40日ほど重しをのせ変えたり温度管理など、まだまだ気が抜けないが、全てうまく行けば、年末頃にはできあがる筈。

 

 

 

研究や山の合間にも、少しずつ土地のことを生活の中に取り入れながら、冬ならではの時間を楽しんでいきたい。

 

 

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ロシアの山火事でできた炭が枯死した根の分解を促進する

ということをSemyonさんたちと報告した論文がSoil Biology & Biochemistry誌に受理されました。山火事は、発生時に木々を燃やすばかりではなく、できた炭が土のにこった枯死根の分解を促進し続けることで、森林から放出される二酸化炭素量を多く保つことを示唆しています。

 

成果の概要はメディアで取り上げていただいているので、そちらを見てみてください。

 

日刊工業新聞

 

マイナビ

 

今回、大学の広報を通じてはじめてプレスリリースを出してみました。結果、こうしてメディアに取り上げていただき、成果が一般のひとにより多く伝わることになりました。基礎科学の研究であっても、一般の方が興味を持ちそうな成果は、アウトプットも積極的に行っていきたいと思った次第です。

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女子たちの夏 in 苗畑

学会から帰ってくると、すぐにバングラデシュからの研修生Juthiが問寒別にやってきました。

約一ヶ月、私たちの研究室でどんなことをしているのかを見学•体験してもらっています。

ちょうど色々なところから研究者や学生が来ているので皆との交流が楽しそう。

 

 

さっそく、日本女子大の上田研究室の皆さんが来てくれました(チーム横国は引き続き滞在中〜)。

今週はみんなで、雪解け時期を早める操作実験をしている苗畑の苗木の形質測定です。

 

 

 

単純作業も皆でワイワイするとあっという間。謎に満ちた女子大の中のことを勉強させてもらいながら、楽しく調査をすることができました。お盆もすぎると、道北の空、風、木々はすこしずつ、しかし着実に秋めいていくのがわかるようになります。

 

 

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アメリカ生態学会とWind River Experimental Forest, とビール

8月上旬、アメリカ生態学会に参加するためにPortaldへ行ってきました。

 

学会は噂通りの大きさにビビりましたが、David Wardle, Peter Vitousek, Anurag Agrawal, Lawrence Walkerなどの大御所の現在進行形の話題、日本の学会ではあまりみかけない北方林とかツンドラの研究とか、自分の研究テーマに近い発表が沢山あり楽しめました。

 

 

自分は「変動環境下における一次遷移」のセッションで話題提供をしました。セッションへの参加者は少なめで残念でしたが、よく読んでいた論文の著者たちとセッション中〜後に色々と話ができ、今後の研究の方向性について有意義なコメントをもらえました。お金があればやりたい事は色々ありますなー。

 

Portlandはビールが美味しく、Abiskoの仲間や久しぶりにあう炭の研究仲間、うっしーやたっちゃんなど、夜は毎晩誰か彼かと飲んでいました。おかげで体重が...。

 

 

学会終了後に帰国まで半日あったのですが、去年、天塩研究林に滞在していたメリッサとショーンに、University of Wasigntonが色々な研究を展開しているWind River Experimental Forestへ連れて行ってもらいました。

 

 

 

 

林齢が600年という苔むした巨木がたくさん生える中に巨大なフラックスタワーがあり、全ての気にナンバータグが付けられています。その規模や、約100年も続けられてきたというモニタリングの成果を聞きながら、まだまだ天塩研究林も出来る事が沢山あるな、と思いました。

 

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横浜国大な夏

今年も横浜国大•森研究室の皆さんが天塩研究林に長期滞在し調査をしています。

 

 

これまでの旱魃実験の他にも新しいプロジェクトが動き始め、賑やかです。

 

忙しい調査の合間をぬって、休日には夏祭りにも参加してくれました。

 

 

 

 

他の大学の学生もいて賑やかな問寒別の夏。

 

小林研は道北各地の森林でミミズを掘り歩いています。

 

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現在進行形のAbisko

温暖化が北極圏のツンドラ植生へ及ぼす影響に関するプロジェクトを立ち上げるため、一週間程前からスウェーデン北部のAbiskoという村に滞在しています。この村には研究員時代に2年間住み、大事な友人、お世話になった人がたくさんいる、自分にとって「第二のふるさと」とも言える場所です。

 

フィールドワークの準備も一段落したので、昨日はヌオーリア山を経てコルサーバーゲという氷河が削ってできた谷まで歩いてきました。白夜の時期というのに、例年とは比べ物にならない大雪のせいで、まだ山のツンドラは夏とは言えない様子です。縞状に雪が残る景色、芽吹いたばかり植物たちは変わらず美しい一方、アビスコも少しずつ変わっていっています。

 

自分が住んでいたときに働いていた研究所の職員達も、別の場所で職を得たり退職したりで散り散りになり、見慣れた顔も大分減りました。自分の中で「かけがえのない思い出」だったAbiskoの様子が変わっていくことを悲しく思う気持ちがある一方、ここにくる目的があり続け、現在進行形でAbiskoと関わる事ができていることに幸せを感じている自分もいます。

 

変わりゆくAbisko

変わらないAbisko

変わっていく自分の変わらない部分

 

それらを受け入れたりしながら、遠い場所にいながらも、いつまでもこの土地と一緒に生きていけたらと思います。

 

 

 

 

 

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春はいそがしい

4月最後の週末、元気と則ちゃんと利尻へ。久しぶりに山らしい山に登った。

土日とも天気が良く、絶景を楽しみながらの山旅。最高でした。

 

 

これにて雪と戯れる日々も一段落か。

 

下界では雪もすっかり解け、土も呼吸をし始めるし、木々も芽吹き始めます。

チーム雪解けの丸毛さんは、早くも測定シーズンまっただ中です。

 

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大規模操作実験な春

さて、今年も雪解け操作実験の時期がやってきました。

温暖化に伴って進んでいる雪解けの早まりが森の植物や土壌に及ぼす影響を調べるため、森の雪を溶かしてその影響をみます。

 

森全体がどんな影響を受けるのか知りたい。

じゃあ、森を丸ごと操作しちゃおうよ、というのは北大研究林伝統のクレイジーな発想。で以下のようなジェットヒーターを用いた大面積操作実験を実施しています。

 

 

 

 

去年の雪解け操作で影響が出たものも出なかったものもありますが、その確からしさを検証するため、今シーズンも操作実験を行います。

 

まだ雪深い道北ですが、早くもフィールドシーズン開始です。

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北海道北部を拠点に森林の研究をしている小林真があちこち歩き回って考えたこと・見たものを紹介するページです。 Keyword: 樹、土、ミミズ、北方林、ツンドラ、バオバブ、登山
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